建築家のお仕事

2019/07/06

建築の木質化の推進~平成30年建築基準法改正

66380138_487553651992097_851739103100246
平成30年に建築基準法が大きく改正されています。
昨日、最新の情報を得るためにセミナーに参加して参りました。

今回の法案の要点は3つ
1.建築物・市街地の安全性の確保
2.既存建築ストックの活用
3.木造建築の推進

この3つをさらにまとめると
「建築の木質化の推進」
これが大きなテーマです。

建築は時代的背景に即した機能性のある存在。
昨今の大きな時代の変化、また気象の変化により
変化していくのは当然のことでしょう。

しかし、木造の一番のデメリットは
「燃えやすい」ということ。

ですので、建物が密集している区域では
木造にしたり、木で仕上げすることが
とても困難。
塀でさえも許されないこともあります。

とはいっても、やはり、
日本は木の文化。
すでに、木造の建築物が多くあります。
特に、戸建て住宅は木造がほとんどを占めてますね。
(沖縄は除く)

昨今、非常に話題とされている空き家問題。
今や7軒に1軒は空き家で
2033年には3軒に1軒になるという増加率。

これを既存建築ストックとしての活用を推進するため
ある一定の規模ですが
用途変更に伴う厳しい制限や諸手続きを緩和する
という方向に動いています。
 

例えば、住宅として使用していた木造3階建て(200㎡未満)を
ホテルなどの宿泊施設や老人施設などの福祉施設にする場合は
迅速に避難できる措置を講じれば、耐火建築物にしなくても良い
というものです。

耐火建築物とは、簡単に言うとある一定時間燃えても
その後も倒壊しない措置をしている建築物です。
木造を耐火構造にするにはコストも時間もかかります。

木造の良さは柔軟性だと私は常々考えています。
法隆寺を始めとした古い木造建築が残っているのは
古いそのままを残しているのではなく
定期的に宮大工が入って材を入れ替えたり補修したりして
手入れをしているから。

柔軟性は人間の知恵で生まれます。

今回の基準法の改正は木質化を推進するため
「緩和」という方向に動いているのは
選択肢が増え、多様なニーズに答えられるように
なっていく第一歩なのでしょう。

年々、複雑になっていく基準法。
こうして木質化という概念が出てきたのは
3匹の子ブタのレンガの家ではありませんが
「高層」や「大規模」が
発展や豊かさの象徴とされていた時代は過ぎ去り
多様な価値観が認められるようになったからでしょう。

木や木造をこよなく愛する私としては嬉しい限りです。

ただ、年々、建築基準法の法令集が分厚くなるのは
頭が痛いのですが^^;


| | コメント (0)

2019/07/04

ライフスタイルの劇的な変化~多治見の家

Photo_20190701103702
リノベーションを行うにあたって
私が重視しているポイントの
3つめは、ライフスタイルの劇的な変化への対処です。


40年くらい前までは、 
台所は北側でお母さん一人で作業する場所。
食事は畳の上のちゃぶ台で。
浴室はモザイクタイルで冬は寒くてお掃除が大変。
電話は一家に1台玄関に黒電話が鎮座する。。。
といった時代。
令和となった今、昭和レトロな話とも言えましょう。

Photo_20190624140307

しかし、今では、
家族皆でお料理して、ダイニングの椅子に座って食べる。
浴室はいつでも暖かいお湯が沸いている。
1人1台スマートフォンを持ち、LINEで会話する。

Photo_20190624135804

大工さんが独りで現場も監督して、
職人をまとめながら
家を建てる。
今までの作り方では、クライアントの期待する家は
到底作れません。
あまりにも多様なライフスタイルとなり
また、住まいの持つ機能は電力を使い複雑になっています。

住宅設備をはじめとし、
多種多様な業者が関わらないと現在の住まいは完成しません。

また、出来上がるまでに、選択肢も無限にあります。
建築確認審査機関の目も厳しくなっています。


さらに、専業主婦という言葉もなくなってしまうほど
共働きのライフスタイルが増えています。
専業主婦のいる家と共働き夫婦の家では
家事動線が違ってくるのは当然。
また、畳の生活から椅子に座る生活になりましたので
昔ながらの間取りでは使いづらいのは周知のとおり。

400pxmaslows_hierarchy_of_needs

そして、寿命が長くなり、
セカンドライフという時間軸ができました。
おおよその人が、自己実現を目指していきている時代。
それをバックアップする機能も必要です。


Photo_20190624140302
しかし、今は忘れられている日本の住まいの良さもあります。
土壁や土間空間、和室や障子などの和の意匠。
日本人のDNAに組み込まれている
京都や鎌倉へなぜか行きたくなる心理。

Photo_20190624140306

その両方を兼ね備えた住まいを作ること。
それには、日本古来の意匠を知り、
現代の生活スタイルに沿ったデザインにしていくことが必要です。
つまり、住まいのイノベーションですね。

Photo_20190624135702

それと、私が最近、切に感じるのは
「女性」が主体の建築をつくることへの面白さ。

女性の時代は底辺からジワジワと押し寄せているようです^^








 

| | コメント (0)

2018/03/05

結ぶことつなぐこと

Photo

桃の節句も終わり、いよいよ春めき、日本が美しい季節となります。

大変ご無沙汰をしておりました。

昨年の3月より、自分の中にある新たなる可能性と真摯に向き合った一年。ようやく実施設計が終わりました。

独立して17年。ご縁のある素晴らしい方々との出会い、信頼を頂き、「専用住宅」という枠の中で仕事をして参りましたが、

昨年の春より、ゴルフ場に宿泊施設をつくるという構想を持っていらっしゃる方と出会い、共に思考錯誤し、練りに練り上げて、ようやく紙の上での完成となりました。

それは単に宿泊するだけの施設ではなく、「日本の美」をテーマに、なによりもそこに佇み、それを使うことで身体と心と精神に響き、じわじわと生きるエネルギーとなるような空間。

「施設丸ごと美術館」のようなもの。

知的好奇心と遊び心が同居するような、そう、本質を捉えた本物だけが持つような存在感。

悲しいかな現代の常識となってしまっている多くのお金やモノだけを持つのが豊かさである、あるいは、昨今で流行っている断捨離のように、単純に持たないものが良い、という短絡的な思考でもない。

この地球、さらには宇宙全体は「繋がり」の中で個々の存在を可能にしています。時空を超えて、はるか昔から、そして彼方の未来まで。網の目のように繋がっています。

それは「循環」という言葉でも表現されています。

人間の営みも大自然の一部です。人工物を真っ向から否定するのはナンセンスです。

自分の立ち位置を常に振り返り、適切な施しをすること、これが生きる本質であると常に考えています。

「 よくばらないこと」

19世紀の産業革命以来、発展する目的を取り違えてしまった私たち人間は今一度、豊かさとは何か、を問い直す時が来ているように思います。それも、早急に。もう残り時間はありません。

何も、大層に時間を取って瞑想をする必要はなく、日常生活の中そっと潜んでいる光を見つければいいのです。

それは、システム化されていない、人里離れた里山で「機能美」を追求している作家や職人の中にある魂の中に見られます。彼らは輝いています。

今回の計画は、手から美しいモノを生み出す作家さん、職人さんがここかしこに参加されています。

新たな「繋がり」をつくり、彼らの光がさらに輝く舞台を作るのが私と夫の使命であると。

一年かけて丁寧に綴ってきたストーリーがいよいよ今月末に花開きます。

| | コメント (0)

2015/06/30

今年も半分終わりました

S20150528_120503
 

早いもので、今日で6月も終わり。

今年も残り半分です。

上半期は月のうち2,3回は愛知や岐阜へ出向き

訪れるたびに、いろいろとご縁をいただきました。

また、ある時は千葉へ。

もちろん、神奈川でもあちこちに^^

こうして振り返ると

すべてがあるべくしておこったこと、

とすべての人、出来事に感謝しています。

 

さて、そんな上半期の最後にふさわしく

昨日は都内にて建築家・槙文彦氏の講演会に

ご招待をいただきまして、行ってきました。

 

槙さんの講演を聴くのは初めて。

 

その内容について、

大切に感じたことは、

本日発行のメルマガに書き、先程配信しました。

 

約90分の講演でしたが

まるで大学の授業を受けているような

そんな密度の濃い、素晴らしいものでした。

 

私の場合、建築家としてはもちろんなのですが

講演者としての目線でも観察してしまいます。

槙さんはさすが世界を相手に活躍されてきた方で

とても分かりやすい講義(!)でした。

どんなところが?というとですね、

 

本題に入る前の導入部分から

初めて聞く人がイメージできるようなイラストや写真が

的確な順番でプレゼンされるのです。

 

だから難しいことでも、

すーぅっと頭に入ってくるのです。

難しいことを易しく説明することは

とても難儀なことなのですが

淡々とお話されるお姿は凛々しいものでした^^

 

導入部分というのは

その講演の全体を決めてしまう

最も大切な部分であるのだと

改めて考えさせられました。

いやはや、

建築家として

講演家として

とても勉強となった講演会でした。

いくつになっても学ぶことは楽しく

初心を忘れずに毎日を過ごしたいものですね^^

 

今年の後半も

謙虚に感謝を忘れず

愛あるおこないをいつも胸に。

すてきなあなたにもお会いできますように。

| | コメント (0)

2015/04/19

継続して積み上げたものは信念になる

20150418_110858

今年は春の到来が遅いなあ、と感じていましたが

葉山で、あやめが咲いているのを見つけましたよ

これは、うかうかとしていられないなあ

一歩進んでうきうきした気分にしたいところです。

 

さて、ようやく晴れた麗らかな土曜日に

昨年完成した2軒の住宅の一年点検に伺って来ました。

特に目立った問題もなく

両方の建主さんから

「住み心地いいです!」というお言葉をいただき、

ほっとしました。

 

設計中や現場監理の間は定期的にお会いし

家族のお話やライフスタイルについて

かなり突っ込んだ内容のお話をさせていただきながらの

「住まいづくり」

だから、「遠い親戚よりも近くの多田さん」と言うほど^^

近しい間柄になっているので

久しぶりにお会いしているのに、

いつもお会いしているような、そんな感覚。

どちらのお宅も玄関に素敵にお花が飾ってありました。

 

点検が終わって美味しいお茶を頂きながら

奥さまにありがたいお言葉をいただきました。

 

「先日、近くに出来た新しい住宅を見にいったのです。

それもとても素敵だな〜と感心していたのですが

我が家に戻ると

やっぱり祐子先生方の設計してくださったウチが一番だなあって

しみじみと思ったんですよ 」

 

感無量でございます。

さらに、思い切って

どのようなところが違うか聞いてみました。

 

「素材の使い方や、

風景を取り入れるための窓の切り方が違うのです。

どこがどう、と具体的にはうまく言えないのですが

何だか心地いいんですよね。

そして、動線がコンパクトにまとまっていてとても使いやすいのです。

美しい景色を眺めながらなので

お台所に立つのが苦でなくなりました 」

 

今年は職業婦人を始めて20年の歳月が経ちます。

男女雇用機会均等法3年目で入社した世代。

 

子育てしながら働く。

頑張りすぎて、一時期は病気になったりもしましたが、

家族のあたたかな協力のもと

毎日、目の前のことをコツコツと

丁寧に暮らしてきたことによって得る事のできた知恵

(悪知恵もたまにあったりして^^;)

これらを

こうしてお人のために活かすことができるようになったこと

それは

皆さんがあたたかく素直な心で受け入れてくださるからこそ

 

その透明なお心あるお客様に感謝して。

 

これからまた20年

コツコツと楽しんで積み上げます〜^^

| | コメント (0)

2014/09/26

どんな場所でも学びは訪れる

14968_314922065356760_4100998946492

爽やかな季節になりましたね。

9月19日から23日まで横浜ランドマークタワーにて建築家展に参加しておりました。
建築家展では、なかなかお会いすることができないお客様に多く出会うことができます。

無料相談、セミナーもあり、その中でいろいろなご質問をお受けし、お答えすると、皆様「なるほど~」と大満足して帰っていかれます。

そんなことを繰り返しながら感じたことは、

「素直な気持ちで行動しないと、何も変わらない」ということ。

続きを読む "どんな場所でも学びは訪れる"

| | コメント (0)

2014/08/25

「ありがとう」と言える幸せ

123

ふと空を見上げると、秋の空になっていました。

ご無沙汰をしております。

18日より4日間、夏の旅行に出ておりました。

しっかりとしたお休みを取るのはお正月以来^^;

休みを終えてからはなかなか現実に戻れませんでしたが、

昨日、一昨日と新たなお客様とお会いさせていただき、気持ちも新たに、また研鑽して参ります^^v

さて、実は4月よりある新しいことにチャレンジしておりまして

続きを読む "「ありがとう」と言える幸せ"

| | コメント (0)

2014/07/16

簡単にちゃちゃっとでは良いモノは絶対に作れない

015

暑い日が続きますね。夕方の雨あがりに漂う草のかおりが

日本の夏が来たな、と感じさせます。

さて、「まいおかの家」 だんだん出来て参りましたよ。

続きを読む "簡単にちゃちゃっとでは良いモノは絶対に作れない"

| | コメント (0)

2014/06/08

一生懸命からしか生まれないもの

001

ここ 2,3日雨模様。雨の日は喧騒がやむためでしょうか

心が落ち着きます。

さて、私の中の喧騒もようやく落ち着くかと思いきや、

まだまだ慌しいのは続きそう。

「焦らず、目の前のことをひたすら丁寧に仕上げよう」 と

日々 念仏のように唱えながら過ごしております。

まあ、どんなことがあってもマイペースなのですが^^;

続きを読む "一生懸命からしか生まれないもの"

| | コメント (0)

2014/03/15

オンナの人生 40歳からが面白い

_mg_6610

3月に入ると街も人も春色になり、足取りも軽くなってきます。

先日、別荘を計画中のお客様ご夫妻と楽しくお食事をご一緒させて頂き、その後嬉しいお便りをいただきました。

続きを読む "オンナの人生 40歳からが面白い"

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

おはなしのおはなし お悩み相談 お施主さんの声 お知らせ きぃちゃん家 こどもとわたし ごあいさつ つばさの家 なかじゅくの家 まいおかのいえ ものがたり わたしのこと わたしの設計心得 エコなこと オススメの旅 オンライン化 セミナー タイ旅行記 ポエム メディア掲載 メルマガサンプル メンテナンス リノベーション リフォーム 事務所の歴史 京都・出雲・天橋立の旅 京都・奈良の旅2020 伝えること 住まいの基本 住宅とお金 傾斜地に建つ家 北海道旅行記 北見方の家 北鎌倉の家 収益物件 名古屋出張 「明治村」ほか 回の家 回顧録 多治見の家 多田祐子 連続講座 大人の女性に 大草の家 季節とインテリア 家具づくり 希望の家 平塚・黒部丘の家 幸運体質環境講座 店舗設計 庭のこと 建築ウンチク 建築家のお仕事 弥富の家 感性を磨く 手づくり 整理整頓とお掃除 新しい生活スタイル 日本人の感性 映画 本日のおすすめ 桑名音楽ホール 梓川の家 横濱和泉の家 浄明寺の家 湯河原の家 生きること 癒し 白い家 白旗の長屋 相模大野の家 空間と心 紅花居 美について考えること 美容 美濃加茂の家 美術館巡り 職人魂 葉山・しおさいの家 葉山・一色の家 葉山・下山口の家 語学 読書 講座・セミナー 豊かになるライフスタイルコンサルティング 雄三通りの家 casa la mar K動物病院のこと Vie Café ~お茶会~