2017/04/26

バランスが美しさを決める

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桜、山吹、ハナミズキ。賑やかさを際立たせているのは実はとても美しい若葉色の新緑。こどもの頃のお花畑のイメージに色どられた日本列島は今や桃源郷。

1月後半より休む間もなく走り続けて参りました。地方を廻り、はなさかじいさん(ばあさん?)のように、皆さんの夢の空間を実現するタネをまき、育て、そして花を咲かせる。

3月末には名古屋で一輪の香しいスイセンの花が咲きました。そして、今、松本では5月末に大輪の牡丹の花が咲こうとしています。

スイセンの花(名古屋・希望の家)が咲いた経緯はこちら↓

http://aqua-marine.tea-nifty.com/arttada/2017/04/post-3a02.html

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先週末、現場監理に訪れた時には内部の大工工事が終わっており、塗装、左官工事の下準備が始まっていました。

客間である日本間も造作完了です。天井も出来ていました。一部折り上げ天井になっているのは、意味があります。外観の軒の高さを低めにしたかったため(そのほうが見栄えがいいので)内部にそのまま構造体を見せ、また、木造の重量感と迫力を出したかったから。これは隣に続く、リビングとも連続しています。

設計図はお客様と間取りを決める平面図の次にこの部分の納まり(矩計図)を描き始めた記憶があります。和の意匠は構造体を美しく組んでいかないと美しく仕上がりません。

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先ほどの和室の天井の意匠は、玄関ポーチまで連続しています。

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和室縁側にも連続させています。

手前の柱は、いちいの木。このお庭に茂っていた木を使いました。根を生やしていた時と同じような位置に使用することは、昔からの宮大工たちのセオリーだったようです。私もここで、こうして叶えることができるとは、感無量です。

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南西にある洗濯物干しのための部屋です。現場は松本市内でも上高地の麓。少し標高が高いため、とても寒いのです。冬は洗濯物を外に干せません。一番日当りの良い場所に。天井、ひのきの縁甲板貼り。贅沢です^^

実は、ここの断面から検証しはじめました。軒の高さを出来るだけ低く抑えながら、太陽の光を効率よく入れる高さを決めるためです。悩んでいる時は苦しかったなあ^^;

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和室とリビングの境にある鴨居の建具溝。こうやって見上げる人は作った人くらいなんだろうけど、私はこういうところの造形に惹かれます。そして、このカタチを見て、次の全く違う場所の意匠がひらめいたりします。だから、作れば作る程、アイディアが湧いてきます。これが「手からモノを生み出す人」の特徴だと思います。自分で言うのも何なのですが^^;

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玄関に鎮座するケヤキの柱。30cm角。肌が素晴らしいです。
この現場監理の楽しみのひとつが、お施主さんと木の話をすること。木の価値観は日本の中でも地方によってマチマチ。これは、地形や微気候などが木を育てるため、樹種は同じでも、色、カタチ、特徴まで変わってくるからなのでしょう。
やはり、山と共に生きている人の話はとても興味深いのです。自然と対峙し、共に生きていくことは智慧が必要ですし、それを自然な形で継承していくフトコロの深さに、感心し感動します。
梓川の家は施主さんの山の木を使ったプロジェクトです。
経緯はこちらから↓
 
自然とは、原生林のように、自然のままよりもむしろ人間の手が加わることでよりよく生かされることも多くあります。人工物が悪のように捉えられていますが、人命や他の生物同士の共存を助けることもあるのです。すべてはバランスなのです。バランスの良いものは美しいものです。

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向いの林檎畑の木々も芽吹き始めました。お客様と出会ってから4度目の春。4年の歳月をかけてようやく来月竣工です。
そして、花咲じいさん(ばあさん?)は、また次の現場を廻り続けるのでしたとさ。
 

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2017/02/27

長野県松本市梓川の家 構造見学会が開催されます

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【長野県松本市梓川の家 構造見学会が開催されます】


クライアントとの出会いが4年前。

ご自身の山から切り出した木材で住まいを創る。

自然のサイクルに則った生き方

昨今ではとても貴重な施しです。

商業サイクルに乗らないモノづくり。

施主、設計者、施工者、誰もが手探りで始めたプロジェクト。

2016年12月24日に見事に上棟することができました。

木の寿命は2回あるといいます。

ひとつは森の中で。

そしてもうひとつは素材として。

「いのち」を頂き、さらに活かしていこうという施主の想い。

その想いが作り手に創作するエネルギーを与え、

素晴らしいモノとしてこの3次元に表れようとしています。

この状態で見られることはあまりありません。

家づくりをお考えの方にはぜひご覧いただきたく
ご案内申し上げます。


3月18日(土曜)13:00〜
         15:00〜
完全予約制です。


お申し込みはASJ松本中央スタジオ 0120−47−9351まで

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2016/12/13

人は本質的な美しさに惹かれるのです。 

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いよいよ12月も中盤に差し掛かり、来年のこともイメージができるようになって参りました。

私も、今年の締めくくりと来年に向けての打ち合わせが目白押し。これから28日までノンストップです^^

さて、先週現場監理に訪れました「梓川の家」基礎が出来上がりました。

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水道屋さんが雨水、下水の配管工事を行っています。

これから背にしている山から切り出した木で作ります。

基礎上に土台を敷き、いよいよ24日のクリスマスイブには上棟します。

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この基礎の膨らみは、大きな柱のため。

一尺(30cm)のけやきが鎮座する予定。お楽しみに。

けやきは反りや曲がりが激しい材のため、構造材にはしておりません。

このように適材適所で樹種を選定します。

縦方向の力に強いもの、たわみに強いもの、虫を寄せ付けないもの

いろいろでしょう?

あら?このように書くと、人のことを言っているみたいですね^^

 

森などの生態系はたくさんの種類の動植物で成り立っています。

お互いに共生共存することで、バランスを保っているのです。

1種類のものに偏らないと、いくつかのメリットがありますね。

 

イメージでは、構造材で森を作るようにカタチを作っていくのです。

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自然の美しさには叶いませんが、できるだけ素晴らしい調和が生まれるように考えるのです。私は、この時に共感覚を使います。

使っているという言葉は正確には適さないかもしれません。なぜなら、モノを見ているときに「私今、これを見ている」な〜んて、いちいち考えませんでしょう?私にはあまりにも自然なこと。なんといっても共感覚で設計していると自覚したのも、数年前です^^;

 

さて、素晴らしいハーモニーが鳴ったと同時に美しいカタチができています。

本物の美しさとは調和なのです。そして、それは「本質」です。

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本物の美しさはパワーとなります。

パワーは、それを認識するのに、相対的なものを必要としません。

健康、命、信頼、創造など。

病気、死、疑惑、破壊と選ぶとしたら、どちらが良いですか?

 

本質的なものは皆、「パワー」を源としています。だから美しい。

 

表面的な美しさはいくらでも繕えます。

しかし、昨今の社会現象で次々と明るみに出ている事件が示しているように

表面的なものはいつかはがれてしまうのです。

2017年は本物だけが残っていく年と言われていますしね。

 

本質的な美しさは恒久であり、あるがまま。

はがれませんし、こわれません。

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建築は永遠を目指して作られ続けてきました。だから、本質的な美しさでありたいのです。

そう、美しい森が一番近いメロディなのです。

美しい森にいるときに感じる心地よさが家の中にあるとしたら
 
外で疲れた身体を休める為に家に帰る。
 
その家が美しい森にいるように、清々しい空気だったら?
 
先日、今年の春に竣工した住宅のお嬢様がふと、このように仰っていました。
「早く家に帰りたくて、高速料金払って、帰ってます。笑」と。
心地よい空間の吸引力、お見事です^^

人は本質的な美しさに惹かれるのです。 

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2016/11/16

梓川の家・地球循環プロジェクト 開始!

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10月18日 梓川の家の地鎮祭でした。予報では雨だったのに、ご覧のように快晴。お願いした猿田彦神社の神主さん、晴れ男だと仰っていました。私もそうだからこのとおり。

設計がスタートして3年半が経ちました。とっても楽しくお仕事させていただいています。

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その理由のひとつは、向こうに見える山並みがご自身の山であり、そこで育った木を切って使う、という現代に至っては壮大なプロジェクトであったからです。

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山から切り倒して乾燥させます。木は繊維の中にたくさんの水分がありますから、充分に。強度を出し、反りや割れを防ぎます。

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反っているもの、曲がっているもの、また虫食いなどがある場合は材料として使えません。そこで、荒く製材した状態で使えるか使えないかをお施主さん、製材所のオーナー、棟梁、現場監督、そして私たちが目で見て決めます。ここでようやくどのくらいの量の材があるのか?がわかりました。

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これは1尺(33cm)角くらいある材。思ったより太くとれました。こちらは玄関に鎮座する化粧柱(木の肌を見せる柱)となる予定です。
 

私の事務所では構造材を含め、約80%は無垢材を使います。(一部大きな梁などは集成材)なぜか?というと、家の中を森の波長で満たしたいから。自然の摂理を活かしているシンプルなこだわりです。

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しかし、現在の住宅は本物の木を使っているものが少なく、多くの人が「木」だと思っているもの。これが、実はプリントであったりするものばかりです。本物の木に触れ、木のエネルギーを感じることがなくなっています。自然から切り離された生活になり、心が疲れた状態になっていたり、自然から学ぶ多くのことを知らないで不安になっているのではないかな、と感じています。危機感に近いです。

 

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「無垢材を使うと高いでしょう?」と言われます。確かに、めちゃくちゃ安くはありません。でも、めちゃくちゃ高くもないのです。特に、木に触れ、心に安らぎをもたらす効果は、化学物質でできたようなものなど、他の何ものにも変えられません。そうです。安心を買う保険やお守りのようなものとお考えになってみてはいかがでしょうか。その価値は充分なほどなのは、その空間にいると解ってきます。

森にいると清々しく、安らかな気持ちになりませんか?

 

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家を森にすることは木を山から伐採し、また植林して育てる、という「地球の生命を維持するための循環というシステム」が成り立ちます。生命というものは常に振動し動いていなくてはなりません。止まることは「死」を意味するのです。

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伊勢神宮も20年に一度、遷宮を行い、新たにお宮を作ります。これは「循環」という生命の本質を表しているなにものでもないでしょう。

木で家を作るということ。

それは、「地球環境のシステム」に参加することなのです。私は今生では、そのお手伝いをして生きています。

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完成は5月。上高地が美しい季節です。ワクワクです^^

ご感想などFacebookのコメント欄で受け付けています。「梓川の家・地球循環プロジェクト」応援いただけますとお施主さん、施工者(職人さん)たちも喜びます。「いいね!」で応援ください✨よろしくお願いします!

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2015/12/08

地方に行くと元気になる理由

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紅葉も終わり、ちらりと冬景色が見られるようになりました。

先週末は松本にてお打ち合わせ。

中央高速、行楽シーズンは半端ない渋滞なので

余裕を持ってでましたがスムーズに着いたので

穂高神社にお参りに。シーズンは終わったのですね^^

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休憩無しで突っ走ったため、車を降りた瞬間 「さぶっ!」^^

湘南から車で2、3時間のこと。
それでも7、8度も 気温が違うのですね〜。

さて、facebookでは度々投稿しておりますが

建築を生業としている身として

施しをする場の神様にはご挨拶するように心がけています。

今回もすてきなご縁をいただいたことに感謝を伝えました。

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境内にたくさんの竹を割った器が。

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全部つけたら幽玄な感じで美しいだろうな〜と思っていたら

横で「これ全部消すのが大変だな〜」と心配している人、夫^^;

性格が正反対なんですよね、面白いなぁ、夫婦って(笑)

心の中でふふっと笑いながら

そういえば、近くに碌山美術館があると気づき立ち寄りました。

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この建築はとても好きで、何度か足を運んだことがありますが

訪れる度に印象が変わるから面白いのです。

使われている素材がすてきで、取手などの細工も逸品ですよ。

ひとつひとつが丁寧に造られているのがわかります。

外壁は焼きレンガで光の加減で表情が違って見えます。

建築家 今井兼次氏の設計です。

今井さんもガウディなどと同じく

職人ワザをとても大切にしていた建築家^^

デザイン手法は違えども、共鳴するところが多いので

ワタクシも同じカテゴリーなのでしょうね。

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休憩室に薪ストーブがあり、ほっこりと。

燃え上がる炎を見ながらぼぉっと

これから向かう打ち合わせの内容を頭の中でおさらい。

 

上高地の麓(ふもと)にお住まいご夫妻。

雪の降りしきる真冬に行ったセミナーにお越し頂いたのを機に

ご依頼をいただきました。

ひとつのことにまっすぐに向き合われる姿勢は

この雄大な山々と清らかな水のエネルギーに委ね

その中で地に足のついた生活をされておられるという

バックグラウンドが大きいのでしょう(前に書きましたとおり

 

また、このような地域で代々受け継がれて来た強固な魂は

現在もしっかりと継承されており

さらに、優しく知的な奥さまとの愛らしいご子息により

ゆっくりと確実に 未来へと残されていくのだな、と。

これが、生命 つまり「いのち」というものだと。

 

奥さまと図面をにらみながら

細かい家具の打ち合わせをしてる時

ふと、視線を感じ、見上げると

ニコニコとした父と子で同じ輝きの笑顔が向けられていました。

お二人の瞳の奥の力強さを見た時

ふっと力が抜けるような とても心地よい何かを感じました。

 

それは「生命力」

人間は元々「生き抜く」という素晴らしく強い力を持っている。

素直に自分の魂の声に従って生きていれば

幸せに生きられるのだな、と。

地方の人々と触れ合うとなぜか元気になる理由がわかりました。

 

母屋にある松の木が彫刻してある欄間は

ご主人のお父さまが彫られたもの。

それを、新築する住宅にも取り入れたいというご夫妻のお気持ち

すてきですよね。

寒ーい日だったけど、心はぽっかぽかになるほど暖かくて。

だからこそ すてきにデザインしなくては ですね^^

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2015/08/27

木は生きている

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今日は爽やかなお天気。

朝、カフェオレを飲みながら、

こんな日はどこかに出かけたくなるな〜、と空を見上げて。

現実には、お洗濯三昧です^^

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さて、先週末は松本へ出張でした。

早めに着いたので、街を散策することにし、まずは松本城へ。

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お堀には蓮と睡蓮の花であふれていました。

今年の夏は慌ただしいので見ることはできないかな、

とあきらめていたですが、発見した時は

心にカーンと鐘がなったように嬉しかったなぁ^^

 

お堀端はたくさんの人。

それも、お城からトロンボーンやらトランペットやら大きな管楽器を

抱えた学生がぞろぞろと出て来ていました。

ラフな人の中にビジネスモードの服装で歩いていたので

夫は学生達から「こんにちは〜!」とあいさつされていました。

きっと、引率の教員と思われたんでしょう。

いそうな感じですものね。私立の女子校とかに^^美術か理科の先生。

 

ランチで立ち寄ったカフェで聞いてみると、どうやら

セイジ・オザワ松本フェスティバルの一環のイベントなんだとか。

若い人たちに音楽の素晴らしさを伝えていくというミッションにより

齋藤秀雄さんが立ち上げた「サイトウ・キネンフェスティバル」を受け継いだもの。

こうして大切にされながら広がっていくというのは素晴らしいことですね。

 

芸術は生きる活力

受験勉強より大切な教養だ!と常々吠えているワタクシですが

建築もどげんかせんといかん、ですね。

 

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さて、

松本も上高地の麓(ふもと)の山へ。

田んぼ中の十字路をひたすら車で走ります。まるで映画のワンシーンのよう。

まずは、切り出した木を見てくださいと、ご自宅から少し離れた畑へ向かいました。

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どうですか

この迫力。

 

今週のメルマガにも書きましたが

やはり、信州はエネルギーが違います。

中央高速で向かうと、長坂ICあたりから目の前の景色が変わるのがわかります。

野菜がとても美味しいのも、このエネルギーの違いだと思うのです。

 

木と対峙した時

ふわ〜っと風が吹き上げました。

「さて、これらはあなたに与える課題です。

これらを使って、優れた住宅を作ってみなさい 」

と声がしました^^;

 

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荘厳な山を背にしたりんご畑に囲まれた敷地には、

さらにけやきの素晴らしい材が切り出してありました。

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木と対話しながら、木を活かす、人を活かす

そして次世代 につなげる

活力みなぎる地に足の着いたかっこいい家にしよう!

 

ちなみに、この木々を見て流れてきた共感覚の音楽は

ショパンの英雄ポロネーズ

かつてピアノでよく弾いていました(今はもう弾けませんが^^;)

 

その頃から感じていた「いのち」の力強さ

今度はそれを建築で表現してみます!

 

今週末はまた岐阜に出張です〜^^

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