伝えること

2020/07/11

なぜ、今まで、わたしたちは「基本の暮らし方」を考えなかったのか?

Photo_20200711162001
「多治見の家」築50年の古民家をリノベーション。オリジナル造作キッチンは極めてシンプルなつくりに。材料はできるだけ自然素材で。


ようやく世の中が動き始めたような感じを受けておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

私くしも定期的におこなっていたセミナー、お茶会など、ライブでの催しを小さくはじめました。そこで、久しぶりにいつも図面作成をお手伝いしてくれているTさんに連絡したところ、お返事にとても素敵なメッセージをいただきましたので少しご紹介したいと思います。

—————–以下抜粋———————-

ほんとに、働き方を考えさせられました。

緊急事態宣言が発令された時は、家でジッとしてなくてはいけない雰囲気でしたが、なかなか終息する気配もなく、これが何年も続いたら、生活が成り立たないぞと思い始めました。

お金があれば、物があれば豊かだという価値観ではなく、家、住む人の心、持ち物、人との繋がり、色んな事での豊かさを真剣に、そして楽しく考えていかないとと思いました。

そこに、働き方、人との関わり方、遊び方など、基本の暮らし方を疎かにしていたことに気付かされた2ヶ月でした。
そして、それを考えるのが、私は好きなんだよなぁと改めて思いました。

—————–抜粋ここまで———————-

基本の暮らし方、真剣に考えたことありますか?


以前の記事にも書きましたが、結婚して長男が生まれ、産休・育休明けに復職して2年経ったころ、29歳の時に、家族が順に病気になり、夫と真剣に考え、働き方、生き方、人との付き合い、食べ物なども含む細かなところまでの「基本の暮らし方」について真剣に考え、都内から自然と文化の豊かな湘南へ引っ越すなどの行動を起こしはじめました。

「基本の暮らし方」をはじめてから、家族との絆が強まり、夫婦で協働する大好きな仕事、自分のライフワークまでもが充実するなどの世間では持続するのが難しいといわれているライフスタイルへと180°変わりました。(夫婦で24時間365日共に働くのを続けられるのはとても珍しいようです^^;)

そして今、このように世の中全体で大変な時期ですが、いえ、大変な時期だからこそ考えたいのが「基本の暮らし方」ではないかと思うのです。

「基本の暮らし方」って?

□自分にとって最も必要な人は誰か?

□自分にとって最も必要なモノは何か?

これを常に考えていくことです。
日常は選択肢だらけです。その場その場での感情に左右されたりまわりを気にした場当たり的な処置ではなく、心の底から真剣に選ぶことです。

さらに、 「最も」というのがとても大切

フランスなどの欧州では当たり前の習慣であるビズやハグ、ビジネスでの握手などが日常の地域では特に、「本当に大切な人」(=リスクを犯してもビズやハグをする)を真剣に考えるようになったといいます。

リスクを犯しても必要な人は誰か?

日本人はこのような密に挨拶をする習慣はありませんが、お付き合いする上で、どうしても会いたい人、よく考えたら会わなくてもよかった人、会わなくてほっとしている人(笑)など、何となくでも優先順位がはっきりした方が多いのでは、と思います。

では、なぜ、「最」もなのか?

それは、他に選択肢が無い、ということです。
それを「シンプル」または「基本」といいます。
選択肢が無い、快適さとは「迷い」がないことです。
「迷い」は時間どろぼう、そして、エネルギーどろぼうです。

ただでさえ慌ただしく毎日を送らなくてはいけない現代人にとって「迷い」のない「基本の暮らし方」がわかっていたらとても軽やかに生きていけると思いませんか?

何でいままでこんなことにこだわっていたのだろうか?
不要な習慣ではないか?

ステイホームにて、そう気づいてしまった方、おめでとうございます!

「迷い」のないシンプルライフへようこそ。

 

| | コメント (0)

2020/05/26

コロナ禍の後で求められる建築とは?

Scn_0010

昨年11月に「豊かになるライフスタイルラボ」という場を作りました。

心と身体、そして衣食住、つまり「生きること」を探求していく場です。

今日はコラムを書きました。

「コロナ禍の後で求められる建築とは?」です。

ご興味のある方は、こちらから ご覧くださいませ。

↑新聞記事の意味もわかりますよ^^

 

| | コメント (0)

2020/01/21

渡辺篤史さんとのトークショーに出演します。

20200121-2
1月26日(日)午後1時半より

「建もの探訪」でおなじみの
渡辺篤史さんとのトークショーに出演します。

今から5年前の2015年1月18日に
一度ご一緒させていただきました。

26131f30fd72ca9a2fe33a6362bd41a02eaf294b
当時のブログ記事はこちらから↓

渡辺篤史✕多田祐子トークショー

Img_0403  

今回は2回め。
当時の写真を振り返ると
皆が笑っていて。

Img_0264

歌を歌ったり、寸劇?をしたり(笑)と

Img_0202

会場もかなり盛り上がりましたよ。

今回、ご紹介する住宅は、

おなじみの「北鎌倉の家」



松本市で山から木を切り倒して作ることから挑戦した
「梓川の家」の予定です。

_mg_0100
プロジェクトの経緯はこちらの記事をどうぞ↓

梓川の家 地球循環プロジェクト開始!

さて、この住宅の現場監理で向かう途中
幾度も虹のゲートをくぐっていました。
お引渡しの日は彩雲がでました。
もう、すべてに祝福される施しだったのでしょうね^^

その時の様子は↓

美しくいのちを使い切る




ASJの会報誌の表紙にもなりました♪

Scn_0003

この冊子ができた際
ASJの方からは
「これこそ家づくりの原点。素晴らしい」と
社内では
話題もちきりだったとのお言葉をいただきました。


Scn_0004

家づくりは
自らを見つめ直し
家族同士の思いやりを育むという
すてきな「おこない」です。
 
 ものづくりの楽しさを
多くの方々にお伝えできればと思っております。
Atui01
雄大な自然に囲まれた長野県伊那市。

長野県伊那文化会館にておこなわれます。

8組の建築家による家づくり相談会も開催しております。

ご家族みなさまでどうぞお越しくださいませ。

会場でお会いできますことを楽しみにしております^^

https://events.asj-net.com/events/13399



| | コメント (0)

2020/01/15

【募集】キッチンから考える住まいづくりセミナー

Photo_20200115153701

セミナーをおこないます。

「キッチンから考える住まいづくり」

家事というものは、一生だれかがやらなくてはならないモノ。
現在は、まだまだ、女性の役割とされています。

キッチンが、まだ台所やお勝手と言われていた時代。
それは、家の中で一番日の当たらない、薄暗くて寒い場所にありました。

理由は

南の陽の当たる場所に居間や座敷を配置するために
北側に配置することになってしまうこと。


「家というものはこういうものだろう」といった
作り手(大工)の感覚のみで家づくりが行われていたこと。

女性が意見を言うのは、はしたないという考え。

などといった点が見受けられます。

しかし、今は、女性も社会進出し
共働きが多く
生き方も多様性に満ち溢れ
技術も進歩して

かなり自由に作ることができるようになっています。

だからこそ難しい。

というのは、家事の動線やライフスタイルの価値観は
10人いたら10人とも違います。

しかし

家事を少しでもラクにするために
デザインでそれを解決する方法があります。

デザインの本来の意味は、装飾ではなく
「問題解決」です。

住宅設計を手掛けて20年。
約50棟を設計してきた中での
事例などをご紹介しながら
賢い家づくりのポイントをお伝えして参ります。

ぜひ、お越しくださいませ。

-------------------------------------

●1月25日(土曜)建築家セミナー
「キッチンから考える住まいづくり」
@長野県伊那文化会館


近日の登壇予定---------------------

●1月26日(日曜)渡辺篤史✕多田祐子トークショーvol.2

@長野県伊那文化会館

https://events.asj-net.com/events/13389


●2月8日(土曜)生き方見本市TOKAI トークセッション
「キャリアと妻と母と私」
☆ありがとうございます!
クラウドファウンディング126.1万円で目標達成!

https://readyfor.jp/projects/ikikatatokai/announcements/119135



| | コメント (0)

2019/12/16

生き方見本市TOKAIにゲストとして登壇します。

Content_87b327fafdf765ff363df076507f0d82

今、全国で注目を集めているという「生き方見本市」
2月8日は名古屋で開催です。

F41119629f5f595b1bd9433c6f05caf7310042bb

20代〜30代の若きチャレンジャー達が
クラウドファウンディングに挑戦しています。

今年の夏、アートディレクターのゆりちゃんと出会い、
その際、ふとしたきっかけで
「生き方見本市」をやっていると聞いて
自分の過去30年のストーリーを少しお話させてもらいました。


男女雇用機会均等法が施行されて3年目。
組織設計事務所勤務という、まるごと男性社会の中で初の産休、育休をとり、
夜の授乳をしながら寝ずに勉強して一級建築士の資格をとり、
仕事と子育てを両立させるという

すべてを勝ち取っているようなスーパーウーマンを演じていたある時、
プチっと切れて重度のうつ病で長期入院。

窓に鉄格子のある病室で、
「絶対に復帰して新宿高島屋の屋上ビアガーデンで美味しいビールを飲んでやる!」
と胸に誓った話。

退職後、設計事務所を設立。
しかし、
医師には
「一生うつ病と付き合うしかない、バカと天才は紙一重」
と言われる。
悔しさ余って、
あらゆる代替療法を調べまくり、
うつ病を完治させ、
そしたら、それを人に伝えたいとセラピストになり、
講演者となり、全国を行脚しながら20年。

いろいろな人に裏切られ、踏み倒されながらも、
でも、圧倒的に周りの人々に支えられて
ここまでたどりついた話とか。

キャリアと母と妻と私を
両立できたキセキの話。

だったかな、そんな話をつらつらと。


エネルギッシュで若い人たちの中、
いやはやそのお母さんでもあるような年齢の私。
参加していいものかと考えましたが、
あまりに興味深いコンテンツなので、
もう、思いっきり楽しんじゃおう!と思っています。

「祐子さんはもともと恵まれているから」と
付き合いの浅い方にはよく言われるのですが、
私の過去を話しをすると、
たいていの人が、涙目で
「自分も頑張ろう!」とおっしゃってくださいます。

「今の、この生き方で本当にいいのか?」と
心のどこかで思っていたりするのであれば、
ぜひ2月8日に名古屋へお越しください。

一緒に泣いて…そして、おおいに笑いましょう^^

若い方にも聞いて欲しいのだけど

人生100年と言われる昨今

人生の転換期である40代、50代の方々とも
共有したいなあと思っています。

私も今、悩んでいますので。

チケットはクラウドファウンディングで購入していただけると嬉しいです。

 

生き方見本市TOKAIはこちらから↓

https://readyfor.jp/projects/ikikatatokai

応援もお待ちしています♪

ぜひ
素晴らしい時間と空間を共有しにいらしてくださいませ^^


| | コメント (0)

2019/08/10

クリムト展を観て考えたこと。

67842953_2161864974115098_53223010062292
クリムト展を観に豊田市美術館へ。
覚悟はしていたものの、
気温38℃。暑い…

通常であればスロープを登り
67821117_375333823379327_701310355189950
水場を観て、入場するという
アプローチを選ぶのですが
もう、暑さに耐えきれず
直行でエントランスへ。

さて、クリムトといえば
この接吻でしょうか。
The_kiss__gustav_klimt__google_cultural_
彼の黄金期は
まさしく金箔を張り巡らした技法。
衣服のテキスタイルデザインから
背景描写が連続する描き方は
見る人の目を退屈にさせません。
本当に美しいですし、
彼にしか描けない描写です。

さて、足元にはロープのようなものが、
また、時には蛇が巻き付いています。

結婚せずに
多くのモデルを相手に
たくさんの子供を残した
という生涯や、
男女のエロスについて
そして強欲を嫌悪するテーマをも
描いていることから、
かなり女性に対しての執着が伺えます。

また、この時代はジャポニズムが
欧州では注目されており
クリムトも浮世絵や春画を
コレクションしていたようです。
この「ユディトⅠ」も
浮世絵の構図が見て取れますし
女性の肌の描き方や
男女の絡んでいる構図も
日本の春画に近いものを感じます。

Gustav_klimt_039
 

実は、私は若い頃から
クリムトの絵は
あまり好みではありませんでした。
どことなく、絵の中にある
闇のような
暗さと弱さを感じていたからです。
見ると、どよーん、と重くなる。

では、なぜ好みではない絵をみるために
わざわざ暑い日に豊田まで行くの?なのですが

今回の展覧会では
「自分が好まないのはなぜか?」を
実物に対峙して感じたかったから。
つまり、クリムトとの対話がしたかったからです。

実際に、彼の絵を一枚一枚観ていくと
その絵の中にある
人間の強欲さに対する非難、
そして、死に対する不安と恐怖を
随所に感じることができました。

そして、何よりも
どこかに現世における
「自己否定」が存在している
そんな気配を感じました。

その気持を覆い隠すかのように
きらびやかに彩られた金箔は
かつての
オーストリアにおける
ハプスブルグ家の繁栄と崩壊をも
表現しているようにも見れました。

そう、恐怖を覆い隠すための
絢爛豪華な装飾。

55歳で亡くなっているので
その後、年齢を経てからの作品は
何か違ったもの、
奥深いものになったのではないかと
彼の早い最期が、
非常に惜しく思われます。

ただ、救いなのが
彼が最も援助し支援していた
エゴン・シーレにバトンを渡していたこと。

Egon_schiele__selfportrait_with_physalis

クリムトが追求したかった
エロスや死についての
何らかの回答を
見つけることができるように思います。

エゴン・シーレは好きな作家です。

そんな暑い中に観たクリムト展。
建築は
建築家・谷口吉生氏の作品です。

67868062_1139068402968414_20433106937042

暑さのため、
建築の写真は撮れませんでしたが
とても美しく
何度訪れても楽しい場所です。

67850009_475281649951528_725887903102874

夏休みは芸術鑑賞でいかがでしょうか?

https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/klimt/

| | コメント (0)

2019/07/19

デザイン手法がヨガ哲学と同じだったと悟った日。

67496144_448103479106505_335833357125628
今年1月からヨガをはじめました。
昨年までの激務により、また、年齢的にも
気をつけないといけないなあ、と思いたち。

特に、建築士は身体的な疲労はともかくとして
精神的なストレスがかなり大きく
それをきちんとケアするために
呼吸法をマスターしたかったためです。
*精神疾患は病院では絶対に治らないから。

4月からはティーチャートレーニングに入門し
ヨガ哲学からアーサナ、瞑想法までを学びに
月に一度、鵠沼海岸のヨガスタジオに通っています。

昨日はそのティーチャークラスの日。
ヨガスートラ(詩・哲学)の講義でした。
スートラの中の第1章15節と16節の
講義を聞いていた時
なんだかすごーく自分が日々行っている
引き算の建築の設計手法と
リンクしてしまい、
ピカーン!と頭の中で
電球が光ったのでシェアしたいと思います。

67248461_2363135873932890_81464131363211

1-15
Drstanusravika-visyayavitrsnasya-
vasikarasamja-vairagyam

1-16
tatparam-purusakhyateh-
gunavaitrsnyam

ヨガスートラは第1章から第4章まであります。
サンスクリット語です。
読むのも難しい。。。ですね^^;
(1、2章合わせて106節を暗唱できなくてはなりません。
 この宿題がつらすぎます〜^^;)

スートラは
生きるための智慧が満載。

第1章では

より良く生きるためには、

「1点に集中し続けること」  そして

「自分自身の真実を知ること」

と語ります。

では、どのようにしたら
真実を知ることができるのでしょうか。

それには、
五感から入ってくるモノや事象に対する
あらゆる執着を断ち切ることだと言います。

そして、その執着を断ち切るために
アーサナ(ポーズ)や瞑想の練習を続けるのです。

ヨガの本来の目的は
アーサナ(ポーズ)をうまく決めることではなく
よりよく生きること、なのです。

だから
「日常の生活をヨガ的に生きること」
これがとても大切。

ヨガのポーズの練習に明け暮れて
日常の果たすべき役割から逃げているのは
本末転倒なこと。

さて、執着ってやっかいですね。

一旦身体に馴染んでしまうと、
今は不要であり
捨ててもいいのに
無意識的に
持ってしまっていたりします。

執着をなくすためには

「自分にとって何が必要で
何が必要でないか?」

「人間として最終的にどうなりたいか?」

などと問いかけながら練習をして行くこと。
日常生活を送って行くこと。

しかし、フツーの人間にとって
おおよそ執着は無くすことは不可能に近いこと。

だから
より高い執着に変換していくようなイメージで
執着のグレードを上げていき
最終的には自分の中の真実に近づいていきます。

はい、この過程が
デザインを行う際に使う思考回路と
同じだったのです。

例えば、住宅の場合、

「この家族、そしてこの敷地条件で
何が必要で、何が必要でないか?」

この問いを繰り返し行い
(おそらく何百回くらい)
削って削って
現場でも削って

そして
唯一のデザインを生み出していく。

出来上がったものは
彫刻のように削られてできたもの。
イメージとして。

だから、真実というものは
とてもクリアでシンプルなはずなのです。

言い換えると、
クリアーでシンプルでないものは
真実ではない。
ということでもあります。

シンプルなモノほど作るのが難しいのは
このためなのですね^^

感覚的にわかってはいたのですが
ロジックをなかなか組み立てられなくていたので
昨日は、自分でもかなり腑に落ちたのでした。

ヨガ、恐るべし。

そして、人生をデザインする、という意味は
執着を断ち切るということに他ならないことだと。

ーーーーシンプルすぎる^^ 

 

67327922_354176341932303_573059653171570
「食」への執着も食べるものの質を高めていくこと、かな。

何のために、食べるのか?と意識して、いただきます。

| | コメント (0)

2017/10/12

大好きなことにチャレンジし続けることが成長のコツなのだ

20170923_0703442

秋の高い空のもと、街を歩いているとふわりと金木犀の甘い香りが鼻をくすぐります。

と同時に小学生の頃の遠足の日を思い出すのです。今は建て替えてしまった実家の玄関脇きに、金木犀の木があり、やはり良く晴れた日にいつもより軽いリュックサックを背負って意気揚々として出かけたことを。

マルセルプルーストよろしくプチマドレーヌと紅茶がその美しい記憶を甦らせ、最後は大作である長編小説を書くに至るまでなれるかしらん、と^^;

「失われた時を求めて」ですね。

20170913_133203

 

相変わらず、あちこちに出張しては、打ち合わせを5、6件済ませ、戻るとひたすらアトリエに籠もり図面作成。ひょっこりと時間を見つけては油絵を作成するという旅と芸術と子育て(といってももう息子二人とも精神的には私より大人だけど^^;)三昧。毎日丸ごと幸せな日々を過ごしております。

さて、今、横浜でも仕事してます。実施設計が進んでおりますが、ボーリング調査の様子。しばらく様子を見てましたが、そのやり方がとても原始的で、なんだかホッとしたりして(笑)嗚呼、昭和だなあって。

20171006_165652

絵もようやく出来てきました。

アクリルガッシュには慣れているものの、油絵に取り組むのははじめて。しかも30号(910×650)

最初は、描き方や捉え方がまるで違うので、戸惑うばかりでした。

上の写真まで出来る前の日の感想を記録しようと思いfacebookに投稿しました。

まさに困惑の渦中にいます。

20171012_133739

しかし、次の日、新たな気持ちで絵に向かおうとしたその時、

アトリエを主宰されているマダムにこう言われたのです。

「この風景をひとつのものとして見るのよ。各々のパーツにとらわれていてはダメ。多田さんは自分の持っている世界が明確にあって、それを表現できる貴重な人なのだから、考えないの。好きなように手を動かすのよ」と。

この言葉で何かストーンと腑に落ち、カンカンカーーン!とアタマの中で鐘が鳴りました。瞬時に何かどよーんとした重いものが消えたのです。

それから、約2時間半、ほとんど記憶にないくらいに手だけがひたすら動く、といった感覚でした。それで、ようやく絵に魂が宿りました。

 

そうです。私は頭でばかり絵を描こうとしていたのです。だから、自分のイメージの中にあるものが描けない。頭と手は繋がっていますからね^^;

美しい海を描きたいのに、一生懸命、水素原子と酸素原子を精密に描こうとしている人みたいな感じです(表現が理系女子ですが)

それまでのワタシは、どこかに優等生的思考があり、また、境界線をミリ単位で決めていくといういつもの設計の仕事のくせで絵を描こうとしていたのです。

建築の設計は頭の後ろのほうにあるおぼろげなイメージを、境界線を決めていくことで次第に出来てきます。

特に異素材の取り合いをどう納めていくか、それは本当に納まるのか、またコストは見合うのか、建築基準法上クリアにしなくてはいけない要素は含んでいないか、施主の意向とは合っているか、経年変化はどうか、メンテナンス可能か、美しくできるか、職人にどう伝えるか、職人が施工できるか、といったような細かな条件をクリアにして秩序づけ、ひとつのモノを作り上げていきます。この判断を毎日何十回しているかな、と思うと、ぞくっと寒気がしますが(笑)

そう、建築の世界は、ひとつひとつが一本の線という明確な境界が存在しなくてはならない。しかもその一本の線には、度重なる思考とエネルギーの重みが乗っかっているのです。だから一本の線は我々建築家にとっては命と同じくらい貴重なのです。

しかし、絵画は全く真逆。

「線がない。。。」

この事実に直面した時、正直、頭の中が真っ白になりました。

だって、ワタシにとって命と同じくらい大切な線がない。。。

 

しかし、そもそも物事に境界線などはなく、物体が存在しても、それは絵の中では物体は主体ではなく書き手から見た客体ということ。最近では量子力学でも解明されていますね!

「私に見えるたぶん存在するであろう物体は、たった今はこうなのよ」と

そのモノの境界線を引き現すのではなく、逆に周りに影を落とし、浮き彫りにしていく。

色にしても、設計の仕事では、塗装屋さんなどには、茶の18番を80%青の24番を20%で調合してツヤを3分にして刷毛で2回塗りした後にウエスで拭き取る。などと非常に単純な決め方をします。

しかし、絵画の世界では、赤く見えるところの中にも緑もあれば黄色もあって影に近いアンバーもある。それもランダムに。

長い時間、赤で表現したいところにも緑や黄色などの色を筆で入れていると、はて?私には赤く見えているところも、実は赤くないのではないか?などと、そんなふうに感じてきます。

人がモノが見える、というのは、光があるこそですからね。

その光も刻々と変化するものであり、また見る人の心も変化する。

「諸行無常」

固定観念に囚われない、物事は○と×のどちらかなんていうことはあり得ない。常に変化している。

学生時代からずっとこの囚われないというテーマに囚われているワタクシでございますが(笑)

| | コメント (0)

2017/02/28

建築の本質は「間」を設計すること

20170225_112503_hdr_2

どこからか春の芽吹く香りがして、 景色を見上げるとそこかしこに桃色の彩りが添えられるようになりました。

ご無沙汰しておりました。今年に入り、毎日のように違う県に出張に行き、違う人々とお仕事をさせていただくという日々を過ごしています。

忙殺されないようにと、常に一定のリズムで自分に向き合い、振り返る作業をしております。私の場合は月(moon)のリズムに合わせていますので、2月26日の新月の日に、過去14日間の振り返りを行い、向こう2週間の計画を立てました。

振り返りをおこなっていくことは、自分の精神性を高めることと、感情を客観的に捉えたり、また身体の調子を整えること、この三位一体をケアすることなので、とても重要な時間です。もう、13年続けています。

3つのバランスをとることで、潜在意識から沸き上がってくるインスピレーションが生まれます。今朝も朝5時にパチっと目が覚め、降りてきましたので、書き記したいと思います。

テーマは

【建築の本質は「間」を設計すること】

2001年に事務所を設立した当初からとても大切にしていることです。もっと言うと、建築に目覚め、学生の頃から持っていた思想です。

20170228_081828_4

 

こちらは私が独立するきっかけとなった作品。

今朝、竣工写真を出してみると、写真が少しセピア色に変化していました。生まれたばかりの下の子をだっこひもでだっこして、竣工検査に立ち会いました。かれこれ16年前。

 

メインは、階段下に置かれているグランドピアノ。最優先事項です。

そう、「ピアノが在る」 が最初にあった。

そこで、こう発想していきました。

ピアノのために「無い」をどのくらい創るか?

しかもこのピアノはドイツ製。とても存在感が強い。だから大空間が必要でした。

横方向も上にも。

吹き抜けになっていますが、

「吹き抜けっておしゃれじゃない?」という価値観で作ったのではないのです。

そう

「無い」  が必要だった。  から。

20170228_082104

 

5,45mの立方体のプロポーションがピアノに必要な空間でした。

 

出来上がって、面白い結果も生まれました。

それは、音響が抜群によかったのです!

 

私は確信しました。

 

20170228_081913_3

 

人間も含めた動物に自分のテリトリーがあるように

モノにもそれぞれ必要なテリトリー=「間」

を持っていることを。

 

20170228_082002_2

 

さて、こちらは玄関。4畳ほどの広さがあります。

 

なぜかというと、

20170228_082016_2

 

正面に見えるピクチャーウィンドウには、

庭園の中心にあるこのモミジが鎮座しているからです。

窓越しのモミジを活かすために「無い」空間を作るのです。

つまり、窓から見えるモミジのテリトリーを尊重すること。

 

写真を探してみると、昔掲載された雑誌にありました。

20170228_092442

 

これはポーチからのアングルですので、約6畳くらいの広さがあります。

玄関扉をガラス張りにしたのも「無い」を創るためです。

 

20170228_082034

 

ガラス張りでも外にはもうひとつ扉があるため、プライバシーは確保されています。

どこが扉かわかりますか?^^

 
   

人間はいつものクセで「在る」ものだけを見ようとします。

どうしてかというと、

人間が脳で、認識するために使われている道具が「言語」だからです。

但し、「言語」は「在る」ものに対するものにしか使うことができません。

それが「言語」の限界です。

 

だから、「空間」を創る建築は説明するのも難しいですし、理解することも難しいのです。「建築は芸術の頂点である」と言われているのは、この要素を鑑みた結果でしょうか。

 

我々建築家は、おそらく皆さんから見ると、目に見えるモノを設計しているように捉えられているかもしれませんが、本当は、「間」「空」を見ており、「空間」を設計しているのです。

それができるのが本来の「建築家」であり、その審美眼から手を通して手がけられるのが本来の「建築」であるといえるでしょう。

 

Rubin

 
花瓶に見えますか?
それとも
二人の人の顔が見えますか?

 
どちらも正解。
分離して見えるものでも、実は「ひとつ」であったりするのです^^

| | コメント (0)

2016/12/14

みんなと違うところを見つけることが芸術なんだ

20161204_005451

12月3日名古屋のcafe miel.にて

「音楽と美術とワインの夕べ」を行いました。

20161204_005513

まずは、鷲見さんの演奏から。

「カール・ヘンツェ ノクターン変ホ長調」

鷲見さんの繊細な感性により興じられる11弦ギターの柔らかな音色がお店いっぱいに柔らかく響き渡ります。

20161204_005523

その後、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココまでの芸術の流れをお話しました。

といいましても、芸術そのものに「定義」というものはない、と考えております。しかし、何でもアリ、というわけではないのですね。

では、何を大切にしているかと言いますと

「本物に触れ、感動すること」

だと伝えています。本物とニセモノの区別は、少しの知識と経験値で見分けられるようになります。そして、最終的には「品」があるかないか?で見分けます 。

人に例えるとわかりやすいですね。「品」のある人は知性と経験が豊かです。そして、それは「感性」で養われる。だから、芸術に触れている人はどこか深い魅力を兼ね備えた人が多いでしょう?

20161204_005438

芸術の中では○×ではなく「個性」を尊重します。だから私の主催するイベントでは「個性」を尊重する人たちばかりが集まってきます。皆で違うところを、面白がるのです。楽しそうでしょう?

20161204_005505

でも、違うって、恐怖を感じますよね。
「これでいいの?」とか「私って変?」とか。
そこで、知識が必要になるのです。
 

様式美(芸術の歴史)を知ると、今ある常識は未来の非常識である、というのがよくわかります。表面上のすべてのものは絶えず変化しています。しかし、その中で変わらないものがあるのだ、ということが見えてきます。それが本質。そう、本物です。「芸術は感性で見るものだから知識はいらない」という考え方もありますが、私は違うと思っています。知識はたくさんはいりませんが、必要なもの。それは自信を与えてくれるからです。

この日も

「今までは芸術とは無縁の生活だったけど、心がとても満たされました」や

「つまらなかったらサッサと帰ろうと思っていたのですが、最後まで聞きたくなるくらい良いお話でした」 

など、終了後にわざわざ私くしのところまで来て伝えてくださる方がいらっしゃいました。

現代社会では何かと「他人の目」ばかりを気にして生きています。しかし、本当にそれでは「人」としてこの地球に生まれてきた役割は果たせません。はたまた、「自分探し」と称してどこかに出かけても、「個性のある自分」の扱い方を知らないと、失敗してしまいます。「これでいいのだろうか?」と、どうどう巡りなのです。確かでない(金儲け主義の)占いやスピリチャル、もしくは自己啓発系の餌食となってしまっている方も多くいらっしゃいます。

 

私くしは、「芸術に触れる」ことが「新しい自分を発見すること」につながると信じています。

20161204_005419

次回は桜の咲く頃を予定しています。

みなさまと多くの感動を共有できますことを楽しみにしております。

 

と、また、ここで、新しい告知を!

来年春から、この芸術で自己発見していく講座を湘南のある場所で始めます^^

年明けにリリースいたしますので、お楽しみに!

20161204_005531

この王冠、似合いますでしょう?

この日は偶然にも誕生日でした。打ち上げをしたお店、姉妹店のtorentottoでもお祝いをしていただきました。満席だった他のお客さまも皆、ハッピーバースデーの歌をうたってくださいました。満面の笑みです^^;

思い出深い、キックオフとなり感無量です。

本当に、みなさま、ありがとうございました。

では、春に!

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

おはなしのおはなし お悩み相談 お施主さんの声 お知らせ きぃちゃん家 こどもとわたし ごあいさつ つばさの家 なかじゅくの家 まいおかのいえ ものがたり わたしのこと わたしの設計心得 エコなこと オススメの旅 オンライン化 セミナー タイ旅行記 ポエム メディア掲載 メルマガサンプル メンテナンス リノベーション リフォーム 事務所の歴史 京都・出雲・天橋立の旅 京都・奈良の旅2020 伝えること 住まいの基本 住宅とお金 傾斜地に建つ家 北海道旅行記 北見方の家 北鎌倉の家 収益物件 名古屋出張 「明治村」ほか 回の家 回顧録 多治見の家 多田祐子 連続講座 大人の女性に 大草の家 季節とインテリア 家具づくり 希望の家 平塚・黒部丘の家 幸運体質環境講座 店舗設計 庭のこと 建築ウンチク 建築家のお仕事 弥富の家 感性を磨く 手づくり 整理整頓とお掃除 新しい生活スタイル 日本人の感性 映画 本日のおすすめ 桑名音楽ホール 梓川の家 横濱和泉の家 浄明寺の家 湯河原の家 生きること 癒し 白い家 白旗の長屋 相模大野の家 空間と心 紅花居 美について考えること 美容 美濃加茂の家 美術館巡り 職人魂 葉山・しおさいの家 葉山・一色の家 葉山・下山口の家 語学 読書 講座・セミナー 豊かになるライフスタイルコンサルティング 雄三通りの家 casa la mar K動物病院のこと Vie Café ~お茶会~