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2020/08/21

富士山の湧水~静岡県富士山世界遺産センター

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暑さが続きますね。
8月17日
丁度、浜松市が41℃と記録的な暑さの日に
静岡県富士山世界遺産センターへ行って参りました。

建築の設計は坂茂氏。

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道路から鳥居をくぐり、広い水盤を廻り、ガラスの箱の部分に入る、というアプローチです。
一番の見せ場はこの地点での水面に映る富士の山。見えますか?

木の網目状の格子をファザードに持ちます。これは富士ヒノキだとか。
そして、このすり鉢状の形態は中の展示室につながるコンセプトとなっています。
(息子は果物が包まれている発泡の白いヤツみたい、と言っていました^^;)

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写真には撮れませんでしたが、このアミアミの中はうす暗いスロープとなっています。
壁にはそれぞれの景色が映像で映され登り下りすることで、あたかも登山をしているかのような印象をうけます。
1フロアーに一箇所ほど小さな展示コーナーがあり、様々な形態での展示がされていました。

この形態を見て、ニューヨークにあるフランク・ロイド・ライトのグッケンハイム美術館がまず脳裏に浮かびました。

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スロープで上がることで、疲労感もなく、最上階までアプローチされます。

展示内容については歴史や富士山にまつわる信仰が主でした。
歴史について、富士山ができたであろう原因とその変遷を知ることができます。
太古には、富士山は2つあったようで、古富士が崩れ、
新富士が残って今に至るということには驚きました。

また、鳥居が象徴しているように、
日本の神道は最初は自然崇拝からきていると言われておりまして
富士山も神として崇められ、今でも富士山の周りには、多くの神社があります。

さて、丁度、企画展にて、企画展「富士山の湧水―その道のりと歴史―」 をやっており
これが私にはツボでした。
(国研)産業技術総合研究所、静岡県環境衛生科学研究所) の調査結果からみると
湧水は溶岩とリンクしていることがわかります。展示方法も最新のもので面白いのです。

また、このセンターの空調は、「地下水熱交換システム」 という地下水を利用しています。
建物の全面の水盤の水は熱交換された水の排水で、これが横に流れている神田川に放流されています。
自然エネルギーを利用する仕組み、富士山のエネルギー活用です。

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案内してくださった女性から富士山本宮浅間大社の湧玉池にも湧き水がでていますよ、と
それは、富士山の湧水だと教えてくださいました。

私の美学テーマの1つが「光と水」ですから、かなり気になりましたので
早速、足を運んでみました。

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富士山本宮浅間大社は駿河国一宮なのですね。
拝殿でお参りして脇から湧玉池へ。

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動画でどうぞ。



私の撮影しているこの場所は
湧水の冷たさが風となり、とても涼しいのです。
雪解け水が溶岩を伝ってこの場に流れてきたと思うと大変ありがたい気分になります。

マガモが3羽仲良く泳いでいましたよ。



富士山は誰でも知っていますが、その歴史や特性に触れるのも面白いですよ。

そして、今日、8月21日は静岡県民の日ということです。



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2020/08/14

厳島神社における建築の工夫~木造建築の柔軟性~

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毎日暑い日が続きますね。
お盆休みの方も多いのでしょうか。

さて、先日、建築士会の会報誌が届きまして
面白い記事をみつけましたのでご紹介したいと思います。

広島工業大学准教授の川上先生の寄稿文
「世界遺産としての木造海洋建築~広島・厳島神社が有する被害低減システム」

そうです。あの世界遺産である厳島神社です。
この内容が面白いなあと思いましたので、私のほうで簡単に書いてみますね。
 
厳島神社

度々縁があり数回訪れました。直近では2018年4月でしたか。

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この時、丁度引き潮だったため、
砂の上に束石、そして柱(束/tuka)が立っているのがわかりますか?

この木束も上に載っている建物の荷重によって木の断面形状が違うとのこと。
木材の特性に熟知しているからこその技です。

そして何よりも、よく考えられているのは、台風に対する被害低減技術。
まずは寝殿造である配置でも、本殿が平舞台、拝殿、祓殿の奥となっています。
このように海からくる風の風圧を逃れるように配置されているとのこと。

私はてっきり、海に向かって舞うと美しいから?
それとも、神様が降りてきやすくなるから?なーんて冗談めいて考えていましたが
違っていたようです^^;
きちんとしたロジックがありました。

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また、床材ですが、水位が上昇した際に浮くようになっているようですね。
柱周りなどは、柱のカタチにくり抜かれています。
潮位上昇した際に床を浮かせることで、建物全体が浮かないようにするためです。
木材は比重が1.0未満なので、水に浮く性質を利用しているのですね。

また、床板を自由に動くような接合方法にすることで、
波風が来てもそのエネルギーを部材どうしの摩擦で減衰することができるからのようです。

平清盛が完成させたということですから、この時代の建築技術レベルが高いことがわかります。

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私が木造建築に強く惹かれる理由はこの「柔軟性」にあります。

ガチガチに硬いから丈夫!なのではなく
フレキシブルに対応できるからこその強さを作ることが可能だからです。

もう時期、台風が来るから、
でしたら、建物が浮かないように
あらかじめ床板をはがしてしまいましょう。

そんな台風対策、面白いなあ、と思うのです。

また、木造のいいところは
補修なども部分的におこなうことができること。
厳島神社も部分的な補修により長い時間を経てきているようです。

更に言うと、法隆寺のあのエンタシスの柱も。
よーく観察してみてください。
ところどころに木の継ぎ目があるのがわかりますか?

手入れをしているからこそ1300年の歳月を経ることができるのですね。
ほったらかしで1300年ではないのです。

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そんな見方をして旅をすると、
人間の知恵と生きることへの尊厳のようなものを感じるのです。

コロナが落ち着いたら、感動する旅、いいですね。

早く収束していきますように。

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寄付をしてきました。




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