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2016/09/08

2016年は奈良の旅  〜Vol.5 風土から生まれた建築は美しすぎる

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女学校の修学旅行の時から

法隆寺と同じくらい印象に残っていた「唐招提寺」

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その金堂の美しさは当時「建築」という世界にいなかったにもかかわらず

何かガツンと後頭部を押されたようなインパクトを受けました。

南大門から金堂の距離感、両側の緑化など

プロローグから胸にガツンときます。

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8本の柱の径や感覚、エンタシスと柱頭、柱脚の納め方、

桁(けた)、斗栱(ときょう)、蟇股(かえるまた)

など 簡素なのだけど、妖艶でもあり、力強さもある

というように、バランスがとてもよいのです。
 

特に、軒の出寸法、高さ、垂木(たるき)の見付寸法やピッチなどが絶妙。

ゴシック建築のように神がかり的な何かを感じるのです。

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ではなぜ、こんなにも軒が深いのでしょうか。

日本は水にとても恵まれている国。

地球の中で、日本と同じ緯度にある陸地はほとんどが砂漠なのだとか。

そんな奇跡のような雲の流れによって

日本列島は天の恵みをいただいています。

 

しかし、時として多量の雨は人間の生命を脅かす力にもなります。

そこで、危険を回避し、良い面を活かすためには、

人間の知恵が必要です。

だからこそ先人たちは、軒を出し、建物や人を守り
排水経路を考えて、すぐに川や海に流れないように
ゆるやかな水の流れを作りました。
 
山で木を活かし田畑を耕し、建築することが
緩やかな自然の仕組みとなったのです。
 
今、私たちが自然だと思ってしまっている場所も
ほとんどが人間の手が加わることで生かされています。
ですから、人工のものが一切悪いということではないのです。

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それでできた軒下空間、

その「縁」はとても居心地よかったのでしょう。

軒裏の垂木が並ぶ連続性は、

単調であるが故の「安心」という感覚をもたらしますね。

住宅では「縁側」というものが好まれるようになりました。

 

和合を好み、あいまいなものを良しとする民族性により

家族や隣近所の人々とのコミュニケーションの場として

次第に定着していったのです。

 

Photo

こちらは、デンマークの建築家、ヨルン・ウッツォンによる
日本建築のスケッチ

日本の建築は、基壇と屋根の建築だ

ということをとてもうまく捉えた絵です。

 

海にすぐ迫る山、傾斜の多い地形、雨が多い、

といったことから生まれた基壇と屋根。

風土から生まれたこの特徴が和様建築という建築形態を

進化させてきました。

 

「和をもって尊しと為す」

十七条憲法の第一条です^^

そう、建築は社会性が具現化したものに他ならないのですから。

 

風土から生まれた建築は美しすぎる。

それは人間の知恵の結集なのだからでしょう。

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