« 2016年1月 | トップページ | 2016年3月 »

2016/02/25

一献の系譜

20160225_090627

あたたかい春の陽気かと思うと、冷たい風の日もあったり。

そんな中でも、心はいつもあたたかくありたいものですね。

 

さて、昨日は初代「ヴィ・カフェ」の皆さんで映画を見てきました。

*ヴィ・カフェとは5年前に始めた芸術や社会について自由に

語り合い、心豊かになることを目指した会です^^

 

「一献の系譜」 

公式サイト http://ikkon-movie.com 

 

この映画を見るきっかけがありました。

映画にも登場されますが

日本酒の神といわれる農口尚彦さんのお酒。

 

実は毎年、誕生日の一週間前くらいに

金沢市の酒屋さんから私の携帯電話に連絡が入ります。

その年によく出来たお酒のお知らせです^^

 

昨年は農口さんの「農口」というお酒でした。

お正月にいただいてみましたら

いやはや、まさに神のお酒。

口当たりは良いのですが、とっても深い味わいなのです。

農口さんの魂が入っている!と。

 

な〜んていうことを映画館近くにある

日本酒好きのタベルナのオーナーにお話しましたら

ぜひ見てみてください!と勧められた映画なのでした。

 

 

能登杜氏四天王と呼ばれる方々を筆頭に

酒造りに関わる面々を

オムニバス形式に現したドキュメンタリー映画。

厳しい杜氏の生き様が赤裸裸に描かれています。

一人前の杜氏になるためには、10年単位での修行が必要。

さらに その道に長けた感性がそろわないといけない、という

まるで針の穴のように狭き門。

こちらも後継者問題が深刻のようです。

 

建築の世界でも職人の後継者問題は深刻です。

「早い・安い・簡単」が良しとされる価値観に抗えず

お手軽なものにばかりお金が流れ

「手間」というものに対価が支払われない社会では

職人は現実問題として生きていけないのです。

 

また、酒造りは「和」が大切。

多くの人が息を合わせて丁寧に作っていく過程が見られます。

「日本のものづくり」の基本ですね。

なんといっても「和」なのですから。

 

では、なぜわざわざ、このような厳しい世界を選び生きる人がいるのか?

それは、自分自身への挑戦なのだなあ、と。

私の選んだ道も女性が生き残るのは厳しい世界であるので

共感が 胸を熱くしました。

 

さらに、麹や酵母などの菌の発酵という人間の手だしできない

神の領域である自然の過程の中で

心を寄り添い、少しだけ手を添えることで

その変化を見届けながら、最高のものに作り上げていく。

 

坂口杜氏が昼夜なく上流酒を作る過程を見ていて

子供達が生まれたばかりの新生児だったころ

昼夜なく世話をしていた頃の記憶がよみがえりました。

子育ても親が思うようにならず、悩むことも多いのですが

その分、喜びも大きい。

 

このように、気が遠くなるような忍耐力が必要なものが

この日本からなくなろうとしています。

少しでも多くの人がこの事態に気づき

危機感を持って生き方を改めると

未来は明るくなるのだけどなあ^^

 

*さて、この記事で800記事を書いたことになります^^

「知的・美的なおしゃれ生活」もおかげさまで10年。

忍耐強く読んでくださっている皆様

ありがとうございます。

これからも忍耐強く続けて参りますので

どうぞお時間のよろしい時におたちよりくださいませ。

| | コメント (0)

2016/02/20

おひさまとミモザと猫で春を想う

20160217_131212

2月も半ばが過ぎ、春を思わせるようなあたたかな日が

訪れるようになりました。

今年度 我が家では二人の息子が受験だったために

どこか緊張していた一年でした。

17日でようやくそれも一段落。

母としては少し肩の荷がおり

出張に行く道すがらの風景をおだやかな気持ちで

愛でることができるようになりました。

 

さて、今月は中部地区に行くのは3回目。

2月13日に、三ヶ日から豊田間で新東名高速道路がつながり

益々快適に通えるようになりました。

20160217_155543

一日目は 大草の家 へ 着々と工事が進んでいます。

上棟してからは大工さんがコツコツと作っていきますので
見た目にはあまり変わっていないように見えますか^^

20160217_152706_hdr

2階の床の下地まで出来ています。
あたたかな光が差し込んでいますね。
 
こちらは洗濯物やお布団を干すコーナー。
ベンチもあるので、ひなたぼっこもできます。
最近では洗濯物を外に干すよりも
家の中に干す習慣のある方が多くなりました。
 
花粉などの空気汚染対策や女性が働くようになり
天候にかかわらずに干すことができるからです。
洗濯物のことを心配しながらおでかけするのはイヤですものね。
 
このような小さなところでも
社会的要因による建築の役割は変化していきます。
これからは特に、女性が使いやすい建築が増えていくといいですね。
 

20160217_152727

愛知県の夕日は地平線まで降りるので太陽高度が低くなると

とても力強く感じます。

 

この日 現場では3時間ほど打ち合わせを行いました。

 

図面とは違い、3次元で現れるので楽しいですね。

お客様の目が夢を目の前に輝いていくのを見ると嬉しくなります。

20160217_155220

現場定例会議にはチャコさんも参加。

にゃーと言いながら、議長のように上座におすわりになりました。

はい、きちんとあなたの玄関も作りますから安心してください^^

| | コメント (0)

2016/02/08

非効率の中の効率

20160207_143834

街を歩いているとどこからか

イエローグリーンの香りがするようになりました(共感覚です^^)

梅や水仙の香りは心を浄化してくれますね。

*写真は江ノ島から伊豆方面を見た景色です^^

 

さて、以前「本物ってなんだろう?」という記事を書きましたが

http://aqua-marine.tea-nifty.com/arttada/2016/01/post-87aa.html

本日は続きまして

「非効率の中の効率」という言葉が降りてきましたので

記しておきたいと思います。

 

建築は、構造、法規、材料、環境、意匠(デザイン)の他に

近隣、天候、思い、感情、社会的価値観などを含む混沌としたものに

秩序をつけて3次元にカタチとして現していく行為です。

秩序をつけることが本来の建築家の仕事です(デザインだけではないですのよ^^)

 

ですから、小さな家一軒建てるのに相当な数の人とのやりとりが生まれます。

交通整理のような交渉ごとが苦手ではやっていけない職業です^^

 

 

最も大切なのは「信頼関係」

あらゆる場面で出会う人とこの「信頼」を強固にし

同じ方向に歩んでいくことが

最終的に美しい建築になるかどうか、のカギといえます。

 

そのためには「作る人の姿勢とあり方」がとても大切な要素です。

どのようなあり方かというと

「非効率なところで手を抜かないこと」です。

 

平たく言うと

「相手を思う気持ち」  に金銭的な価値をつけない、ということ。

但し、「相手の言いなりになる」とは違うのですね。

 

昨今よく耳にする言葉で「費用対効果」があります。

極力無駄なものを削ぎ落として利益を出す

ということとして使われています。

これはつまり、お客さまとのやりとりすべてを損得勘定で考えていることでしょう?

まあ、そこに価値を置く人が頻繁に使います。

私は好きでないので使いません。

 

残念ながら、この価値観がまかり通ってしまっています。

非効率なことは、時間と労力と経費の無駄と捉えられていて。

贈り物などもらっても、何か裏があるんじゃないか、とか勘ぐったりね^^

 

ところが、地方にいくと

この費用対効果に価値を置く人が極めて少ないです。

ホテルや小料理屋さんなどで働く人と接しても感じることです。

 

なぜ、こんなにも気分よく過ごせるのだろうか、と私なりに考えました。

それは

「人間の気高さ」がそうさせないのだと。

 

気高い人の行動はこうです。

原理としてすでにあるもの

例えば、

病気より健康のほうが良いし、死ぬより生きている方が良い、

醜いより美しいほうが良いといったこと。

このような原理に基づいて行動しています。

 

だから、むやみに格好もつけませんし、とても自然体です。

原理だから動じません。

自分を正当化する必要がないので、守りに入る言動が不要です。

だから、活き活きとして、常に笑顔が耐えず、優雅です。

 

人やモノをむやみに批判することもありません。

商売が勝ち負けだけではないのです。他人と戦わない。

「受容」する力があるのです。

勝ち負けは自分の中でだけ存在するものなのでしょう。

さらに短期的ではなく長期的なものの見方をします。

 

このような方と仕事をする、もしくはサービスを受けることは

深い安らぎと喜びが与えられます。

だから、信頼が得られ、さらに仕事を頼まれるという好循環になります。

 

このように、非効率なことのように見えることが実は効率となって

具現化します。

真の成功者とはこのような人格者ではなかろうかと

美しい瞳を見ながら、肌で感じながら

学ぶことができるというのは本当に有り難いことです。

 

大量生産大量消費で効率のために

大切なものを省略し

無味乾燥な世の中をつくってしまいました。

そろそろ、立ち止まって方向転換する時だと感じています。

キーワードは「感謝」です^^

| | コメント (0)

2016/02/06

祝 上棟 〜大草の家〜

20160205_131208

立春も過ぎ、穏やかな青空のもと 「大草の家」の上棟が行われました。

敷地から1、2分のところに車を停めて現場に向かいました。

20160205_130705

テクテクと歩いて、3次元になった姿が目の前に現れた時

なぜかぼろぼろと涙が。

我ながら、涙腺がゆるくなったなあと思いながら^^;

「ああ、やっとできた」ってほっとしたという涙かな。

 

敷地が市街化調整区域という区域に位置することや

その他もろもろの難解な諸条件が錯綜しており

ご家族の不安を取り除き、夢を叶えるには

かなり時間がかかるだろうと思っていたのです。

しかし 落ち着いて

絡まった糸を ひとつひとつひも解いていけば最後には出来る!

という自信はありました。

この一年間 何度も足を運び

多くの人の知恵とお力を頂きながら

ようやく今日の上棟までたどりつくことができました。

 

さらに 今回は飛騨高山の井上さん(井上工務店)のご尽力で

構造材はすべて高山産の無垢材を使用することになりました。

あたり一面森林浴^^

通りを通るご近所さん達 みなさん

「木の香りがどえりゃーええなあ」と。

 

20160205_170622

夕方には垂木(たるき)掛け、野地板まで終了。

大工さんが若手ぞろいで手際がよく、身が軽いから早い早い。

始終楽しそうに仕事されていました。

久しぶりに見たかも。若い青年の活き活きした姿^^

20151010_151011

そうそう この家の住人となるチャコさんは

大きな音が大嫌いのご様子。

建て方の間は始終逃げ回り

お隣の家に避難していました。

冒険好きのチャレンジャーだけど

繊細さもある女子だったのですね

どうりで、どこか気が合うと思っていたのよ。仲間だね〜^^

| | コメント (0)

2016/02/04

人生も引き算の法則で

Img_4640

立春ですね。

今冬は暖かい時期が長かったせいか冬が短かったような。

昨年の暮れよりきぃちゃん家の竣工、

東海地域で3棟の着工とバラエティ豊かな日々を過ごしています。

 

月に5、6日は岐阜、愛知県で過ごす日々。

ご縁は3年前の岐阜女性センターでの講演から始まり

それからあれよあれよという間に

数珠つなぎのように東海地方で

次々とステキな方と出会い

こうしてお力添えができるようになりました。

お世話になっているすべての方に 感謝する毎日です。

 

振り返ると

仕事であろうとなかろうと

心深い部分から信頼できる人々に恵まれた数年間。

 

さらに昨年の暮れあたりから、

より深く互いを大切にしたい友人がどどーんと増え

公私共に充実した人生の秋(まだ春か?)を迎えております。

 

このような流れが生まれ、幸せが加速しているのは

数年前から意識し始めたことによるのかなと。

 

何かというと それは

「極力 無駄な力を抜くこと」

 

 

「良いお母さん」「良い妻」「出来るビジネスウーマン」

3つの勝手な思い込みをきっぱりと捨てました。

そう、私の設計コンセプトでもある

「引き算の法則」です^^

 

しかし、ずぅっとこれらの鎧をしょってないと

「何かにやられる!負ける!」と思っていました。

いったい何にやられるんやろ?(笑)

 

長いこと鎧に身を包んでいた私にとって

「素の自分を生きる」ことは

裸で街を歩くくらいこっぱずかしいことで(歩いたことないけど)

かなり勇気のいることでした。

 

ふと、自分のアイディアのひらめき方を振り返った時に

机の上であれこれと考えているよりも

街を散歩したり、料理していたり、寝ている夢の中や

心をゆるしている人々と語り合う時など

心地よく過ごしている時に起こるなあと思い

 

もしかすると、常に心地よい状態でいることが

抜群のパフォーマンスを生み出すのかも!

とある時にピンときて始めたのでした。

 

他人と比較することなく

世間の目や常識とは違う次元に存在する自己

ただあるがままにある自分。

その自分を自分が一番認めてあげること。

決して甘やかすのではなく

私の すべてを受け入れること。

自分に向ける母性ですわ。

 

こうして無駄な力を抜けば抜くほど

素晴らしいご縁に恵まれていくのを体験していくと

もう、重い鎧なんて着ようとも思いません。

 

ホンマモンは脱力した時に時にのみ生まれる

ということを

身をもって体験して、本日立春なり^^

2月も続々といいことが続くなあ。

| | コメント (0)

« 2016年1月 | トップページ | 2016年3月 »