« 静かなる魅力 それは重力 | トップページ | 美しさの持つ力~こころをひとつに »

2010/12/14

密やかなるモノ 出ずる時かな

Kabe

先日ちらと書いたのですが、「北鎌倉の家」一年点検にお伺いしました。

一年点検とは、住宅が出来上がってから一年後に不具合がないかお伺いするというものです。つまり、春・夏・秋・冬の季節を一巡した建物の状態をお伺いするということ。健康診断のようなものです。

こちらは主に施工者が行なうものですが、お客様とお会いしたいところもあってずうずうしくも同行したりするわけです。

 

一年経って見ると、建物というものはなんとなく堂々とした貫禄が漂ってくるようです。周りの自然とも「なじみ」が出てきて、やっと自分の中で描いていた風景画が現実のものとなります。

 

先日のお伺いした日。周りの環境もいよいよ変化の兆しがあるものの、佇まいはその土地の主となっている様。それはそれは誇り高き風情。

「北鎌倉の家」はお客様の建物に対する愛着とその個性が充分に発揮され、社会に対する生きる姿勢のようなものを感じられる暮らしぶりでした。全てに良い調和が生まれていました。有難いことです。

建築の大きな役割である「個と社会とのつなぐ象徴的役割」が果たせているかと。 

特に、奥様の品の良い京都風の手作りの庭が、建物と鎌倉周辺の街並みにしっとりと雅な香が立ち込めていて。

さらに、ご主人の「出来上がった当初の、思っていた以上に素晴らしかったという感動は今でも充分に味わっています」というお言葉。

このようなご夫妻のふるまいに 感謝し、また励まされ、この仕事の意味深さと純粋な感動を味わっている次第です。

その後、お客様へのお礼のお便りにもちらりと書いたのですが、私の作ってきた建物には「隠れたコンセプト」というものがありまして云々……と(当然のごとく「なんですか?それは!」となることでしょうが^^;)

 

但しここで念のため

建物を作る際の私のスタンスはとしてゆるぎなきもの、それは

お客様の頭の中にある混沌とた希望や夢。それらを引き出し、整頓し、建築として実現させること

これが第一の目標です。

 

そして、建物を作り続けてきて密かに大切にしてきたもの それが

この「隠れたコンセプト」

これが第二の目標。

 

建築家として生きる私の一生の中で

「建築」を定義するという挑戦でもあります(挑戦といってもゆるい感じですが^^)

その是非は、建物が出来、建築という機能を果たした空間でないと見えない。

なぜなら、建築は人間と共存することではじめて建築となりうる からです。

つまり建築は単体ではありえないこと。この価値観はタブローつまり絵画や彫刻などのいわゆる18世紀から19世紀フランスのロマン主義が考える芸術とは大きく違っているところです。

 

 

さて この「隠れたコンセプト」

実はまだどこにも、誰にも(夫にさえも)公表していません。しかし私の中から泉のごとく溢れだしている状態となり、時間を見つけては密やかに、カリカリと書き留めている次第です^^

美的暮らし塾でも取り上げていきたいと考えています~^^/

|

« 静かなる魅力 それは重力 | トップページ | 美しさの持つ力~こころをひとつに »

北鎌倉の家」カテゴリの記事

多田祐子 連続講座」カテゴリの記事

建築ウンチク」カテゴリの記事

建築家のお仕事」カテゴリの記事

コメント

北鎌倉の家を拝見しました。(テレビで)
バランスの良い雰囲気のある住まいに、
しばしウットリ。
それにしても、トイレの斬新で機能的なデザイン。
日本のトイレでは、なかなか気に入ったものに出会えず、
半ば諦めかけていたのですが、やはりあったのですね。
どちらのものかどうしても知りたくなり、メールしました。
教えていただくことは、可能でしょうか。

投稿: 宮地 暁子 | 2013/09/18 21:58

宮地 暁子 さま

コメントありがとうございます。
また、嬉しいお言葉をいただきまして光栄です。

さて、お問い合わせの便器ですが
Vitra社のものです。

投稿: 多田祐子 | 2013/09/27 10:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 静かなる魅力 それは重力 | トップページ | 美しさの持つ力~こころをひとつに »