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2008/05/01

4・22条約

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 最近では4月22日は良い夫婦と言われているようであるが、実は私たち夫婦の結婚式記念日でもあったりする。狙ったわけではないのだけど…

今年はアフターメンテナンスで昨年の10月に竣工したお宅におじゃますることに。これも狙ったわけではなく。

いつものことながらお引渡しから半年が経ち、「どのようになっているのか」とドキドキ、ワクワクとする瞬間。何十回と経験していてもいつも新鮮な気持ちがして。

 早めに到着したので家の周りをうろうろ。腕組みなどして建物を見物する、シャッターを切る。ふつうならばあやしい二人組みだ。

 さて建物内部に入った瞬間、

はぁっ~!

「そこには息があった」

 私の第一印象。今まで自分の設計した建物を訪れた際、少なからずともそういった感覚はあったのかもしれない。しかし今回はとても顕著に自分の中に湧き上がった。

 建物が活き活きと呼吸している感じ、

そう

「竣工して終わりなのではなく、そこからまた始まりなのだ」と。

「建物は生きている、そして成長するのだ」と。

なんとも心に響く美しさがあった。

それは目に見えない美しさ。

言葉に出してよく表現はしていたものの、体感すると言葉に出来ないという矛盾を感じた。

 

 ふとその時

私が一番の師匠だと思っている吉村順三氏の言葉を思い出した。

「欲しいのは光であって、器具ではない」

吉村氏が照明計画をする際の考え方を表したもの。

 

 こうして「感動を頂ける」というのは本当に幸せ者である。何もなかった更地の時から建築中、そして竣工してさらにそこに生活する人が加わり「時間」という新たな軸が存在するものをずっとこの目でその工程の全てを確かめられるというのは本当に有難い。

 ご依頼を頂くお客様皆様、そして施工する方やすべて関りのある方々に感謝気持ちが絶えない。

 

 帰りの車の中で夫がポツリとこういった。

 さっき、「この家は何年持ちますかねぇ?」と聞かれ、

「50年は大丈夫でしょう」と答えたんだけど……50年後は僕たちは生きていないからこの目では確かめられないんだよね~、と。

えーーーっ、私は生きているかもしれないんだけど…

 

 そんなことを言いながら…まあ、私たちは戦国時代の武将同士のような感じなので 結婚記念日というよりも「4・22条約」のようなものなのであるが、それに相応しい日であったように思う。夫がどう思っているのかどうなのかは不明なのね…

 お土産にお祝いで頂いたイタリアのワインもとても美味しかったなり~

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