« ものの見方 | トップページ | 初夏の海 »

2007/05/24

わたしの絵・・・美しき仕事人

100_0978

 横浜らしい瀟洒な喫茶店のドアを開けると、ひんやりとした空気が身体を包み込む。

 スペインのタイルで出来た内装。カウンターはスペインの大理石。そしてそこにはいつもの顔ぶれがある。ヨーロッパのバールにいるかのようなそんな錯覚に幾度おちいったことだろう。

 薄暗くひんやりとした空気の中でコポコポとサイフォンで丁寧にコーヒーを淹れる。それが私の仕事であった。

 コーヒーはとても繊細な飲み物である。そのオーナーであるマダムとの朝のコーヒーのテイスティングは真剣な作業でもあった。その日の温度、湿度、豆とそのローストの調子で引き加減やサイフォンでの操作方法を変えるということを頭でなく身体で覚えるにはかなりの歳月を要したように思う。

 朝の挨拶を交わした後、朝一番に豆を挽きサイフォンと向かい合う。そして少しだけ砂糖を入れたコーヒーを口に含み香りと味そして色を確認する。納得のいくいつもの味になるとマダムが私の目を見て微笑みうなずく。

 そんないつものコーヒーを求めて初老の作家たちがいつもの時間にやってきていつもの大理石のカウンターに留まる。そしてコーヒーの香りを交えながらそこではいろいろな話が興じられる。私にはカウンター越しにある絵をみているようなそんないつもの光景であった。日常であるけどとても芸術的な仕事であった。

 その絵に題名をつけるとしたらなんとつけるだろう・・・

 

 

 

|

« ものの見方 | トップページ | 初夏の海 »

ものがたり」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ。「蒼いみかん」のねねです。
先日はコメント戴きましてありがとうございました。
遅くなりましたが、どうぞ今後とも宜しくお願い致します。
偶然にも私もカフェについて記事を書いた所でした。
この絵のタイトルは……「美しき仕事人」とかどうでしょう?(笑)
私の好きな風景なんですけどね。

*ねね

投稿: ねね | 2007/05/28 19:19

ねね さま

ご訪問、そしてコメントを頂きましてありがとうございます。
さらに、素敵なタイトルも頂きまして感激しております。
「美しき仕事人」・・・と空想を膨らませていくだけで素敵な風景、音、香りと心を心地よくさせてくれます。
早速、タイトルに採用させて頂きます。

京都のカフェのテキストも素敵ですね~。
いつでもお伺いすると、美しいものに出会えるねねさんのテキストとお写真。そこから発する美のオーラ。大好きです。ありがとうございます。

投稿: ゆうこ*あくあまりん | 2007/05/30 08:36

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/144436/15184619

この記事へのトラックバック一覧です: わたしの絵・・・美しき仕事人:

« ものの見方 | トップページ | 初夏の海 »