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2006/04/07

彼女のひとこと

ここのところ私の頭の中である思い出がくるくるとまわっています。
それは大学4年の晩夏のイタリア・ギリシアの旅のなか。
ディプロマ(卒業設計)を目前にして
私は女友達二人とバックパック旅行に出かけたのでした。

エアーのみの予約で宿からすべて現地調達。
イタリアのミラノから約2週間イタリアを巡り、
ギリシア・アテネへと移動しました。
アテネといえば「パルテノン神殿」

もちろん最初に足を運びました。
ちょうどお昼くらいだったと思います。
あまりの偉大さに圧倒されひたすらカメラアングルを探す私。
そこで2週間寝食を共にした彼女から言われたひとこと。

「ゆうちゃんは、今この瞬間の美しさだけに感動してる。
 私は違う。歴史に感動している。」と。

これは大変私をノックアウトしました。
自分の審美眼の浅はかさに愕然としました。
未だに言われた時の天気や状況、さらにほほにあたる風も覚えています。

この夜「パルテノン神殿」のライトアップショウを見にいきました。
隣の丘陵より、パルテノン神殿を舞台とした
光と歴史を音声で語るショウでしたが、
ギリシア訛りの英語で歴史をかじりました。
しかし私の頭のなかは彼女の一言でいっぱい。

そして、次の日の朝5時に起きてまたパルテノンまで歩いていきました。
まだ昨夜の疲れを残しながら寝静まった街を歩きながら
私は内省を繰り返し、歴史を感じる準備をしていました。
その日の朝のパルテノン神殿は違って見えました。

同じものを見るにしても受け手によってこうも違ってくるのかと、
私が最初にミラノに下りた時のカルチャーショックよりも
自分の中のカルチャーショックを感じていました。
この時を起点に私のものづくりへの道がはじまったように感じます。

学生時代は私の芸術性を応援してくれる
仲間や恩師に沢山出会いました。
そして今、また私はいろいろなところで
沢山の作家さんと出会いを頂いています。

よく漁師さんは魚を港まで持ち帰る時、
水槽の中に違う種類の魚を2,3匹まぜるそうです。
すると水槽の中で程よい緊張感が生まれ、
魚が元気なまま運ぶことができるとのこと。

私もいろいろな方から刺激を受けて
いつまでもいろいろなものに挑戦し、
いろいろなかたちでいい作品を残していけたらと感じています。
彼女のひとことに感謝しつつ・・・

Harukaze01

先日、織物教室で作った第2作目。

裂織といってきものの生地を裂いたものを織る。

織物も奥深いです。

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