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2005/11/24

コツコツと仕事をする喜び

私達、建築家の仕事はきちんとした仕事をしないととんでもないことになります。
一見、派手なようで実は地味な作業が山ほどあります。
目の前にある作業を正確にひとつひとつこなしていく忍耐力が必要でしょう。

コツコツと仕事をする喜び。
そしてそれを成し遂げた達成感はなにものにも変えられないと思います。
そういった喜びを最近は忘れられているように感じます。

昨日、村上春樹さんの小説を読み返しておりまして、
主人公の友人がまるですごく高価な食器を扱うように、
丁寧にLPレコードを扱う作業が描かれており、
ふと、今、ものに対する敬意のなさに自分を含め考えさせられました。

設計の世界でも昔はトレーシングペーパーに鉛筆書き。
原図というものは「命」より大切なものでした。
今はCADというソフトでパソコンでデーター化されており、
紙の図面は重要ではありません。
しかし、やはり初期の構想やスケッチは
私はお気に入りのトレーシングペーパーでスケッチをおこします。

そして十年前は手書きのパースを書く職業がありました。
今はワリが合わないとCGになっています。
しかし、やはり手書きの線1本1本の思いが2次元から3次元の世界、
そしてそこには空気や香り、音までが感じられます。

さらに・・・コツコツと腕を磨いた職人さんに今、世継ぎがいません。
私達がいくら心を込めた設計をしたとしても
あと数年でその仕事をこなしてくれる職人さんがいなくなりつつあります。
そういった職人さんと話をする時なんともいえない寂しさが募ります。

家づくりも同じことだと思います。
コツコツと将来のことを考えながら
家族と話し合い、専門科を交えて作り上げていく喜び。
そして出来上がったときの達成感。

そういったものの大切さを残していきたいものだと
勤労感謝の日の昨日は一日、レコードの思い出からはじまり
いろいろと・・・ぼおっと考えておりました。

コツコツと働いて・・・たまにぼおっとすると・・・建築の神様が降りてきます。 YUKO TADA

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