いつもブログをご覧いただきましてありがとうございます

多田祐子です。

多田建築設計事務所共同主宰
7年先のライフスタイルをカタチにする建築家・講演家
一級建築士
福岡県生まれ
共感覚保持者

詳しいビジネスプロフィールはこちらから →

■近々のセミナー、講演等のお知らせ ✨

2016年7月3日(日)トークセッション

「建築家との家づくりを経験した建て主さんの話を聞いてみよう」@多治見セラミックパークMINO

http://aqua-marine.tea-nifty.com/arttada/2016/06/post-2f00.html

当日の様子をスライドショーにしました✨ YouTube にてご覧ください。

https://youtu.be/3nqWhD7dB6A

 

■講演・執筆依頼、ご相談・お問い合わせは

お名前・ご連絡先を添えてPCメール受信できるアドレスから

info@arttada.com

までお願いします。

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「北鎌倉の家」 茶室              写真:雨宮秀也 

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2013年7月 北鎌倉の家「渡辺篤史の建もの探訪」 にて放送されました。

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2015年1月 渡辺篤史×多田祐子トークショー にて。

 

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2019/09/17

豊かさが豊かさを産む~弥富の家~

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弥富の家が出来上がりました。
クライアントに素敵なお便りをいただきました。

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多田先生、
皆さま、

昨日は、ありがとうございました。

先生方をはじめ職人の皆さまが、
小さな家にもかかわらず、
細部に渡って丁寧に作ってくださったことが
伝わってきて感謝で一杯です。

母も、実際の家を見たことで、
各部屋の使い方のイメージを膨らませ始めました。
脳の活性化に役立っているようです(笑)

一方で、新しい家に戻るに当たっては、
いろいろな物の整理の必要性も改めて感じています。

せっかくの素敵な家ですので、
快適にシンプルに暮らせるよう、
自分たちの意識も変えていかなくてはと思っています。

取扱説明、入居清祓の日程についてはもう少しお待ちください。
よろしくお願いいたします。

まずは、取り急ぎお礼まで。

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クライアントとは昨年の4月に出会いました。
当初はリノベーションをお考えでした。

リノベーションの場合は現地を拝見し建物の状態を見て
これからの住まい方をヒアリングし
それぞれにメリット、デメリットをお話します。

弥富の場合は、地盤、建物の老朽化が目立ったことと
現在のライフスタイルに合わない間取りであったため
新築することになりました。
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打ち合わせにはお仕事などでお忙しい中、
住まわれるご家族皆でご参加して頂いたので
私が皆の価値観を深く理解でき、
また、その価値観をすり合わせることにも
お互いに歩み寄りをしてくださったために
同じベクトルを向いて歩くことができました。

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特に、家を作るにあたっては
夢が膨らんで、あれもこれもと
希望の要素が複雑多岐に絡み合い
収拾がつかなくなるのですが

常に、「シンプルに暮らす」という
最初のコンセプトに
皆で立ち戻りながら前を向き続けたので
私の提唱している美しい引き算の建築プロセスを
たどることができました。

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現場でも
担当の現場監督さんは、HPなどにより
当方事務所の作品をかなり研究してくださって
私共の建築意図を事前に酌み取っておられたので
細かなところもとてもスムーズに納まりました。

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職人さんも、仕事もとても丁寧で
とても穏やかに現場が進んでいきました。

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このように、クライアントをはじめとし、かかわるすべての方が
皆、一生懸命にものづくりに取り組むことでしかおこらない
「好循環ループ」でき、
誰もが納得できるモノに仕上がったのだと思います。

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住まいは生き方を変えてくれます。

日常を素敵なものにするのは
他ならぬ自分の気持ち。

ですからまず、自分のベースとなる
住まいを豊かなものにし
幸福感を満たすこと。

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ショーン・エイカーも言っていますが
幸福感だけが、真の成功へと導くのだと思っています。
人は、何かに成功したから、
幸福になるわけではなく

心が満たされていれば
いろいろなことが
最善の状態に進むのではないでしょうか^^

これからも人の幸せを増幅させるような建築を
作り続けて参りたいと思っています。

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2019/08/27

ライフスタイルに合わせた収納セミナーを行います。

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クリナップ名古屋ショールームにて

ライフスタイルに合わせた収納セミナーを行います。



クライアントの設計の打ち合わせをしていると
必ず出てくる悩み



「なぜ、自分は片付けられないんだろう?」

「片付けてもいつの間にかまた散らかってしまう」

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実は、この悩み、あなたが出来ないから、ではありません

家事動線と収納場所がうまく噛み合っていないのが原因です。


住まいの収納システムのバグとでもいいましょうか。

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バグなので、どこに問題があるかを紙の上で検証し
解決方法を見つけることが必須です。

そう、あなたのせい、ではないのですね。

もう、攻めるのはやめましょう。
 

だから、お分かりですね。

一時のやる気だけでは片付かないし、持続しないのです。

さて、収納システムは、ライフスタイルで決まるため
ひとりひとり方法も違ってきます。

今回のセミナーでは、ライフスタイルをじっくりと見直しながら
おひとりおひとりにぴったりの収納方法を探していきます。

この方法は独自の設計手法を収納のシステム構築にアレンジしたもの。




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今後の生き方の指針にもなるようですので、
皆さまに大変喜ばれてきました。

名古屋での開催は初の試みです!
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忙しい今だからこそ

何か変えたい!と思っている時だからこそ

自分に時間を作ってあげて
モノと自分の関係を見つめ直してみませんか?

美味しいコーヒーとお菓子とともに
ゆったりとした時間と空間の中で
自分らしいスタイルのある暮らしを
考えてみましょう。

住まいは大切なあなたを育てる
舞台なのですから…

また、皆と一緒だと
なんとなく相談しづらいわ、

という方は
個別にカウンセリングも受けておりますので
お声掛けくださいませ。

お申し込み用フォーム ↓

https://ssl.form-mailer.jp/fms/a4924e67634058

みなさまとお会いできますことを心より楽しみにしております。

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2019/08/10

クリムト展を観て考えたこと。

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クリムト展を観に豊田市美術館へ。
覚悟はしていたものの、
気温38℃。暑い…

通常であればスロープを登り
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水場を観て、入場するという
アプローチを選ぶのですが
もう、暑さに耐えきれず
直行でエントランスへ。

さて、クリムトといえば
この接吻でしょうか。
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彼の黄金期は
まさしく金箔を張り巡らした技法。
衣服のテキスタイルデザインから
背景描写が連続する描き方は
見る人の目を退屈にさせません。
本当に美しいですし、
彼にしか描けない描写です。

さて、足元にはロープのようなものが、
また、時には蛇が巻き付いています。

結婚せずに
多くのモデルを相手に
たくさんの子供を残した
という生涯や、
男女のエロスについて
そして強欲を嫌悪するテーマをも
描いていることから、
かなり女性に対しての執着が伺えます。

また、この時代はジャポニズムが
欧州では注目されており
クリムトも浮世絵や春画を
コレクションしていたようです。
この「ユディトⅠ」も
浮世絵の構図が見て取れますし
女性の肌の描き方や
男女の絡んでいる構図も
日本の春画に近いものを感じます。

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実は、私は若い頃から
クリムトの絵は
あまり好みではありませんでした。
どことなく、絵の中にある
闇のような
暗さと弱さを感じていたからです。
見ると、どよーん、と重くなる。

では、なぜ好みではない絵をみるために
わざわざ暑い日に豊田まで行くの?なのですが

今回の展覧会では
「自分が好まないのはなぜか?」を
実物に対峙して感じたかったから。
つまり、クリムトとの対話がしたかったからです。

実際に、彼の絵を一枚一枚観ていくと
その絵の中にある
人間の強欲さに対する非難、
そして、死に対する不安と恐怖を
随所に感じることができました。

そして、何よりも
どこかに現世における
「自己否定」が存在している
そんな気配を感じました。

その気持を覆い隠すかのように
きらびやかに彩られた金箔は
かつての
オーストリアにおける
ハプスブルグ家の繁栄と崩壊をも
表現しているようにも見れました。

そう、恐怖を覆い隠すための
絢爛豪華な装飾。

55歳で亡くなっているので
その後、年齢を経てからの作品は
何か違ったもの、
奥深いものになったのではないかと
彼の早い最期が、
非常に惜しく思われます。

ただ、救いなのが
彼が最も援助し支援していた
エゴン・シーレにバトンを渡していたこと。

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クリムトが追求したかった
エロスや死についての
何らかの回答を
見つけることができるように思います。

エゴン・シーレは好きな作家です。

そんな暑い中に観たクリムト展。
建築は
建築家・谷口吉生氏の作品です。

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暑さのため、
建築の写真は撮れませんでしたが
とても美しく
何度訪れても楽しい場所です。

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夏休みは芸術鑑賞でいかがでしょうか?

https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/klimt/

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2019/07/22

原三溪の美術

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「原三 の美術」展を見に横浜美術館へ。
原三 は横浜の本牧にあるを作った文化人です。

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とは、ほんの一部分で、茶の道や芸術を愛した人。
今回は「コレクター」「茶人」「アーティスト」「パトロン」という
4つの切り口でのキュレーションでした。

日本画の発展に貢献した人だけあって
雪舟のコレクションや下村観山、横山大観など
あまり並列で見ることの出来ない作品を
同時に見ることができます。

茶道具などの展示もあり、
仏教美術や水墨画とその装丁、巻物なども含め
日本文化を俯瞰して知ることのできる展覧会だと感じました。

水墨画や巻物は特に
パースを使わない遠近法や
墨の濃淡と筆のタッチのみで描かれた
花鳥風月や僧侶達の絵は
言葉で描くことの出来ない深みを感じます。

特に、原三 の絵は
輪郭線を描かないという
独特の手法で
しかし、その蓮の絵は
三渓園でみられる蓮の美しさを
匠みに表しているな、と感銘を受けました。


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さて、三園は、
日本中の古建築を移築して作られた庭園ですが
原三は、ただ単に移築するだけではなく
西に富士山を望む庭園全体をデザインするため
個々の建築を少しずつアレンジしているそうです。


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日本建築は庭があってこそのものだと
私の常々心に留めて設計に努めていますが
一番大切な部分を大事にされているところは
まだ、明治時代は良き日本の思想があったのでしょう。

さて、日本美術に浸りきって横浜美術館をでると
とても賑やかでした。


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人々がいい感じで水場を楽しんでいます。
老若男女、妊婦さんも。
前職では公共建築を企画してプレゼンをする時に
こんなパースを描きました。
すごく楽しい雰囲気の空間ができますよ!という絵です^^;

特に、私の学生時代はみなとみらいは
この横浜美術館以外は横浜博覧会跡地でした。
まだまだ工事現場だったのですね。


当時も、課題作成に煮詰まると
必ず一人で、この美術館へ来て
作品に触れ、対話することで
創作への力を蘇らせていました。

四半世紀(25年)経った今も
この習慣は変わっていませんが

現実として、目の前で
パースのような絵を動画見ていることに
驚きを感じた日でした。

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この原三渓展は何度か展示の入れ替えをするので
また、行ってみようと思います。
再来場は200円引きになるとか。


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2019/07/19

デザイン手法がヨガ哲学と同じだったと悟った日。

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今年1月からヨガをはじめました。
昨年までの激務により、また、年齢的にも
気をつけないといけないなあ、と思いたち。

特に、建築士は身体的な疲労はともかくとして
精神的なストレスがかなり大きく
それをきちんとケアするために
呼吸法をマスターしたかったためです。
*精神疾患は病院では絶対に治らないから。

4月からはティーチャートレーニングに入門し
ヨガ哲学からアーサナ、瞑想法までを学びに
月に一度、鵠沼海岸のヨガスタジオに通っています。

昨日はそのティーチャークラスの日。
ヨガスートラ(詩・哲学)の講義でした。
スートラの中の第1章15節と16節の
講義を聞いていた時
なんだかすごーく自分が日々行っている
引き算の建築の設計手法と
リンクしてしまい、
ピカーン!と頭の中で
電球が光ったのでシェアしたいと思います。

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gunavaitrsnyam

ヨガスートラは第1章から第4章まであります。
サンスクリット語です。
読むのも難しい。。。ですね^^;
(1、2章合わせて106節を暗唱できなくてはなりません。
 この宿題がつらすぎます〜^^;)

スートラは
生きるための智慧が満載。

第1章では

より良く生きるためには、

「1点に集中し続けること」  そして

「自分自身の真実を知ること」

と語ります。

では、どのようにしたら
真実を知ることができるのでしょうか。

それには、
五感から入ってくるモノや事象に対する
あらゆる執着を断ち切ることだと言います。

そして、その執着を断ち切るために
アーサナ(ポーズ)や瞑想の練習を続けるのです。

ヨガの本来の目的は
アーサナ(ポーズ)をうまく決めることではなく
よりよく生きること、なのです。

だから
「日常の生活をヨガ的に生きること」
これがとても大切。

ヨガのポーズの練習に明け暮れて
日常の果たすべき役割から逃げているのは
本末転倒なこと。

さて、執着ってやっかいですね。

一旦身体に馴染んでしまうと、
今は不要であり
捨ててもいいのに
無意識的に
持ってしまっていたりします。

執着をなくすためには

「自分にとって何が必要で
何が必要でないか?」

「人間として最終的にどうなりたいか?」

などと問いかけながら練習をして行くこと。
日常生活を送って行くこと。

しかし、フツーの人間にとって
おおよそ執着は無くすことは不可能に近いこと。

だから
より高い執着に変換していくようなイメージで
執着のグレードを上げていき
最終的には自分の中の真実に近づいていきます。

はい、この過程が
デザインを行う際に使う思考回路と
同じだったのです。

例えば、住宅の場合、

「この家族、そしてこの敷地条件で
何が必要で、何が必要でないか?」

この問いを繰り返し行い
(おそらく何百回くらい)
削って削って
現場でも削って

そして
唯一のデザインを生み出していく。

出来上がったものは
彫刻のように削られてできたもの。
イメージとして。

だから、真実というものは
とてもクリアでシンプルなはずなのです。

言い換えると、
クリアーでシンプルでないものは
真実ではない。
ということでもあります。

シンプルなモノほど作るのが難しいのは
このためなのですね^^

感覚的にわかってはいたのですが
ロジックをなかなか組み立てられなくていたので
昨日は、自分でもかなり腑に落ちたのでした。

ヨガ、恐るべし。

そして、人生をデザインする、という意味は
執着を断ち切るということに他ならないことだと。

ーーーーシンプルすぎる^^ 

 

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「食」への執着も食べるものの質を高めていくこと、かな。

何のために、食べるのか?と意識して、いただきます。

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2019/07/06

建築の木質化の推進~平成30年建築基準法改正

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平成30年に建築基準法が大きく改正されています。
昨日、最新の情報を得るためにセミナーに参加して参りました。

今回の法案の要点は3つ
1.建築物・市街地の安全性の確保
2.既存建築ストックの活用
3.木造建築の推進

この3つをさらにまとめると
「建築の木質化の推進」
これが大きなテーマです。

建築は時代的背景に即した機能性のある存在。
昨今の大きな時代の変化、また気象の変化により
変化していくのは当然のことでしょう。

しかし、木造の一番のデメリットは
「燃えやすい」ということ。

ですので、建物が密集している区域では
木造にしたり、木で仕上げすることが
とても困難。
塀でさえも許されないこともあります。

とはいっても、やはり、
日本は木の文化。
すでに、木造の建築物が多くあります。
特に、戸建て住宅は木造がほとんどを占めてますね。
(沖縄は除く)

昨今、非常に話題とされている空き家問題。
今や7軒に1軒は空き家で
2033年には3軒に1軒になるという増加率。

これを既存建築ストックとしての活用を推進するため
ある一定の規模ですが
用途変更に伴う厳しい制限や諸手続きを緩和する
という方向に動いています。
 

例えば、住宅として使用していた木造3階建て(200㎡未満)を
ホテルなどの宿泊施設や老人施設などの福祉施設にする場合は
迅速に避難できる措置を講じれば、耐火建築物にしなくても良い
というものです。

耐火建築物とは、簡単に言うとある一定時間燃えても
その後も倒壊しない措置をしている建築物です。
木造を耐火構造にするにはコストも時間もかかります。

木造の良さは柔軟性だと私は常々考えています。
法隆寺を始めとした古い木造建築が残っているのは
古いそのままを残しているのではなく
定期的に宮大工が入って材を入れ替えたり補修したりして
手入れをしているから。

柔軟性は人間の知恵で生まれます。

今回の基準法の改正は木質化を推進するため
「緩和」という方向に動いているのは
選択肢が増え、多様なニーズに答えられるように
なっていく第一歩なのでしょう。

年々、複雑になっていく基準法。
こうして木質化という概念が出てきたのは
3匹の子ブタのレンガの家ではありませんが
「高層」や「大規模」が
発展や豊かさの象徴とされていた時代は過ぎ去り
多様な価値観が認められるようになったからでしょう。

木や木造をこよなく愛する私としては嬉しい限りです。

ただ、年々、建築基準法の法令集が分厚くなるのは
頭が痛いのですが^^;


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2019/07/04

ライフスタイルの劇的な変化~多治見の家

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リノベーションを行うにあたって
私が重視しているポイントの
3つめは、ライフスタイルの劇的な変化への対処です。


40年くらい前までは、 
台所は北側でお母さん一人で作業する場所。
食事は畳の上のちゃぶ台で。
浴室はモザイクタイルで冬は寒くてお掃除が大変。
電話は一家に1台玄関に黒電話が鎮座する。。。
といった時代。
令和となった今、昭和レトロな話とも言えましょう。

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しかし、今では、
家族皆でお料理して、ダイニングの椅子に座って食べる。
浴室はいつでも暖かいお湯が沸いている。
1人1台スマートフォンを持ち、LINEで会話する。

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大工さんが独りで現場も監督して、
職人をまとめながら
家を建てる。
今までの作り方では、クライアントの期待する家は
到底作れません。
あまりにも多様なライフスタイルとなり
また、住まいの持つ機能は電力を使い複雑になっています。

住宅設備をはじめとし、
多種多様な業者が関わらないと現在の住まいは完成しません。

また、出来上がるまでに、選択肢も無限にあります。
建築確認審査機関の目も厳しくなっています。


さらに、専業主婦という言葉もなくなってしまうほど
共働きのライフスタイルが増えています。
専業主婦のいる家と共働き夫婦の家では
家事動線が違ってくるのは当然。
また、畳の生活から椅子に座る生活になりましたので
昔ながらの間取りでは使いづらいのは周知のとおり。

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そして、寿命が長くなり、
セカンドライフという時間軸ができました。
おおよその人が、自己実現を目指していきている時代。
それをバックアップする機能も必要です。


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しかし、今は忘れられている日本の住まいの良さもあります。
土壁や土間空間、和室や障子などの和の意匠。
日本人のDNAに組み込まれている
京都や鎌倉へなぜか行きたくなる心理。

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その両方を兼ね備えた住まいを作ること。
それには、日本古来の意匠を知り、
現代の生活スタイルに沿ったデザインにしていくことが必要です。
つまり、住まいのイノベーションですね。

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それと、私が最近、切に感じるのは
「女性」が主体の建築をつくることへの面白さ。

女性の時代は底辺からジワジワと押し寄せているようです^^








 

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2019/07/03

デザインの本当の意味~多治見の家リノベーション

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リノベーションを進めるにあたって
大切にしていることの
2つめは断熱です。
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断熱に関してもここ10年ほどで大きく価値観が変わりました。

以前、
日本では、
「家は夏を基準に建てる」とされていました。

ですから、築40年以上経った家は
きちんと断熱されていないものが

ほとんどです。

築50年、60年の古民家では
床板一枚の下は土であることは普通です。

また、このように竹小舞といって
竹で編んだ下地に土を練りつける壁が主流でした。

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しかし、
暑さ寒さが極端になってきている気象状況、
また、花粉やPM2.5などの空気の汚れ
さまざまな事情で

冷暖房を入れる期間が長くなりました。

窓を開けて、風が涼しい、
という時間が極めて少ないのです。

このようなスタイルですと
断熱することで冷暖房の効率を上げる
必要のほうが重要となっています。

断熱で重要なことは
断熱材の密度と厚みをしっかりとること
そして、きちんとした施工。

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多治見の家では断熱材を入れたのはもちろんですが
土間空間を設け、建具で可変できるようにして
夏と冬の住まい方を変えるご提案をしました。

プラン(間取り)での工夫は重要です。
デザインとは、おしゃれにする、
と日本では使われていることが多いのですが
本来の意味は、知恵を出して問題を解決すること、なのです。
これが昨今話題のデザイン思考です。

ですから、
表面だけの意匠を真似て作ったものは
デザインとは言えません。

真の美しさは
そのモノの本質を表した時にだけ
感じられるものなのです。

それがデザインです。

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多治見の家では玄関土間に
竹小舞の土を露出させ
掛け軸に見立て仕上げました。




 

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2019/07/01

建築は人の命を守るもの~多治見の家リノベーション

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リノベーションでは、まず、建物の状態を見るために
現地調査を行います。
基礎や壁に隠れている構造材などの劣化の状態、
また、断熱材の有無や劣化の状態などを調査します。

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図面があれば幸いですが、多くはそのとおりに作られていません。
また、増改築を繰り返している場合も多く、
現地で実測することが大切です。


多治見の家は腕の良い大工さんが作った様子でした。
とても堅牢な構造をしており
この時代では珍しく図面もしっかりと描かれていました。
また、図面の文字が筆で書かれていたのには
何かノスタルジーを感じ、
まるで、当時の設計者と対話をしているようでした。

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さあ、現地調査をしてからいよいよ設計に入ります。

ここで、私がリノベーションを行う際の大きなポイントは3点です。 

1つは構造。

1981年(昭和56年)以前に建築されたものは
建築基準法が大きく改正される
以前の構造基準で建てられているので
特に注意が必要です。

木造在来工法という梁と柱で荷重を支えているものも
現行の建築基準法では耐力壁の壁量や
材どうしのジョイントの仕方も大きく変わっています。

図面では筋交い(斜めに入っている材)がある計画であっても
実際に壊してみると
入っていなかったりすることも多くあります。

ですので、リノベーションを行う際は
解体しながら、設計を繰り返し更新していく作業が続きます。

そして、思わぬ欠陥や腐朽が見つかると
そこでどう対処するかを
現場と相談しながら
経験と知識を元に決定していきます。

建築基準法は大きな地震が起こると
厳しい方向に改正されますので

概ね、柱、梁、壁の補強をします。

さらに、水回りの構造材は
湿気や漏水によるアリの被害が多く
必要であれば、材を取り替えます。

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まずば人の命を守ること、
この手立てが第一優先となります。

人の美しさと健康とは切り離せないように
建築も美しさと安全性は切り離せないのですね。

この世のすべてのものは、必ず
時間とともに変化していきます。
エイジング(劣化)は免れません。
しかし、変化をゆるやかにしていくのは
モノを大切にする、ということにつながることだと
信じています。

次回は2つ目のお話をいたします。

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2019/06/25

主張しない美しさ~多治見の家リノベーション

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岐阜県多治見市。駅周辺から少し離れた住宅街。
2017年7月末にお客様と出会いがあり
2018年6月末に完成したリノベーションです。

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こちらがリノベーション前の外観。
はじめて訪れた際に印象的だったのが
瓦屋根と屋根勾配の美しさです。
ぜひこの部分の意匠を引き立てるような外観にしたくて
立面を考えました。

私の記憶の引き出しには
様々な建築リストがストックされています。
その中でこの時にピン!と降りてきたのが
奈良にある唐招提寺金堂。
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高校生の時、仏教の女学校であったために
修学旅行は奈良、京都のお寺での説法がメインでした。
まあ、当然、かしましく
お友達とワイワイしながらのほうに
気が向いていたのですが、
このお寺を見た瞬間
「かーーーーーつっ!」と
背中を叩かれたように、衝撃を得た建築です。
「美しすぎる…」と。17歳の時。

そして、数年前にも2度ほど訪れましたが
変わらず 
「かーーーーーーつっ!」は受け続けています。
いえ、経験を積めば積むほど
この建築の「すごさ」に叩きのめされるのです。

計算されたプロポーションは
シンプルで美しく、どの角度から見ても美しい。

静かな美しさ
主張しない美しさ

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唐招提寺とは屋根の形状は違いますが
極力外壁面の余分な主張を排除し
また、必要な場所に「抜け」をつくり
表層だけに留まらず
奥行きを深く感じるようにデザインしています。
日本画のように。

主張しない美しさは
日本特有の美学です。


 



 

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